複数の貸金業者から借金を抱えている「多重債務」の状態は、毎月の返済に追われるだけでなく、精神的にも大きな負担になります。「もうどうしようもない」と感じている方もいるかもしれません。
多重債務は適切な方法で解決できる可能性が高いです。自力での返済から法的手続きまで、状況に応じた解決方法が用意されています。大切なのは、現在の状況を正確に把握し、自分に合った解決策を選ぶことです。
この記事では、多重債務の解決方法を「自力で解決する方法」と「専門家の力を借りる方法」に分けて詳しく解説します。

まずは借金の全体像を把握する
信用情報を開示する
CIC、JICC、KSCの3つの信用情報機関に開示請求をして、自分の借金の全容を正確に把握しましょう。自分でも忘れている借金が見つかることがあります。
借金一覧表を作成する
以下の情報を一覧表にまとめましょう。
| 確認項目 | 記入例 |
|---|---|
| 借入先 | A消費者金融 |
| 借入残高 | 80万円 |
| 金利 | 年18% |
| 毎月の返済額 | 2万円 |
| 返済日 | 毎月27日 |
借金の全体像を把握することが解決への第一歩です。「知りたくない」という気持ちはわかりますが、正確な情報なしに適切な対策は立てられません。
自力で解決する方法
方法1:おまとめローン
複数の借金を金利の低い1本のローンにまとめる方法です。金利が下がれば利息の負担が減り、返済先が1社になるため管理も楽になります。
ただし、審査に通る必要があり、多重債務の状態では審査が厳しくなります。また、返済期間が延びると利息の総支払額が増えるケースもあるため、条件をよく確認してください。
方法2:家計の見直しと返済計画の立て直し
固定費の削減、不要な出費のカット、副業による収入増加などで返済に充てるお金を捻出します。金利が高い借金から集中的に返済する「アバランチ法」を実践しましょう。
家計見直しの具体例として、格安SIMへの乗り換え(月5,000円節約)、保険の見直し(月3,000円節約)、外食を週1回に減らす(月8,000円節約)、使っていないサブスクの解約(月2,000円節約)など、合計で月1.8万円程度の節約が可能です。この1.8万円を高金利の借金に集中して返済すれば、完済までの期間を大幅に短縮できます。
方法3:親族からの借入で高金利借金を完済
親や兄弟から無利息で借りて高金利の借金を完済し、親族には計画的に返していく方法です。ただし、人間関係に影響するリスクがあるため慎重に検討してください。

専門家の力を借りて解決する方法(債務整理)
任意整理
将来利息をカットして元金のみを3〜5年で分割返済する方法です。裁判所を通さず、弁護士が債権者と直接交渉します。整理する借入先を選べるため、車のローンを残すなど柔軟な対応が可能です。
例えば、3社合計300万円の借金(平均金利15%)がある場合、そのまま返済を続けると5年間で約130万円もの利息が発生します。任意整理で将来利息をゼロにすれば、同じ5年間で元金300万円のみを返済すればよく、月々の返済額は約5万円で済みます。費用は1社あたり3〜5万円程度が相場で、分割払いにも対応している事務所がほとんどです。
個人再生
裁判所の認可を得て、借金を最大5分の1に減額する方法です。住宅ローン特則を利用すれば、自宅を残したまま他の借金を大幅に減額できます。
自己破産
裁判所の免責許可を得て、借金を全額免除してもらう方法です。返済能力がない場合の最終手段ですが、借金がゼロになるため生活の立て直しが最もスムーズです。
どの方法を選ぶべきか
| 状況 | おすすめの方法 |
|---|---|
| 利息カットで返済可能 | 任意整理 |
| 元金の大幅減額が必要、住宅を残したい | 個人再生 |
| 返済能力がない | 自己破産 |
多重債務の解決を先延ばしにするほど、利息が膨らみ、選択肢が狭まっていきます。「まだ大丈夫」ではなく「今のうちに」行動することが重要です。
多重債務に陥らないための予防策
借入は「返済計画」とセットで考える
借りる前に「いつまでに」「いくらずつ」返済するかを明確にしましょう。返済計画が立てられない借入はしないのが鉄則です。
リボ払いの利用を避ける
リボ払いは毎月の返済額が一定で楽に感じますが、金利15〜18%で残高が減りにくいため、多重債務の入り口になりやすいです。たとえば、リボ払いの残高が50万円、金利15%、月々の返済額が1万円の場合、毎月の返済額のうち約6,250円が利息に充てられ、元金は3,750円しか減りません。50万円を返し終わるまでに約6年以上かかり、利息の総額は約30万円にもなります。「毎月1万円だけだから楽」と感じるのがリボ払いの落とし穴です。
家計簿をつける
収支を「見える化」することで、無駄な出費や借金の必要性を客観的に判断できるようになります。

よくある質問
Q. 借入先が何社以上だと多重債務ですか?
明確な定義はありませんが、一般的に3社以上からの借入がある状態を多重債務と呼びます。金融庁のデータによると、多重債務者の平均借入先数は約4社とされています。借入先の数よりも、毎月の返済額が手取り収入の3分の1を超えているかどうかが、深刻度を判断する重要な目安です。
Q. 多重債務を放置するとどうなりますか?
利息が膨らんで借金が増え続け、最終的には督促、訴訟、給与差し押さえに発展する可能性があります。早めの対処が重要です。
Q. 多重債務者でも住宅ローンは組めますか?
多重債務の状態では、住宅ローンの審査に通ることは非常に難しいです。まず多重債務を解決し、信用情報が回復してから住宅ローンを検討しましょう。
Q. 配偶者が多重債務者です。どうすればいいですか?
まずは本人に寄り添い、一緒に弁護士の無料相談を利用することをおすすめします。責めるのではなく、「一緒に解決しよう」という姿勢が大切です。配偶者の借金は法律上、本人の債務であり、もう一方の配偶者に返済義務はありませんが、生活への影響は大きいため早めに専門家へ相談しましょう。
Q. 多重債務を解決した後、再び借金をしないためには?
家計簿をつけて収支を管理し、「借りる前に返済計画を立てる」習慣を身につけましょう。また、緊急資金(生活費3ヶ月分)を貯めておくことで、急な出費にも借金なしで対応できます。
まとめ
多重債務は自力での解決(おまとめローン、家計見直し)から法的手続き(任意整理、個人再生、自己破産)まで、様々な解決方法があります。重要なのは、まず借金の全体像を正確に把握し、自分の返済能力に合った方法を選ぶことです。
3年以内に自力で完済できる見込みがない場合は、弁護士や司法書士に相談して債務整理を検討することをおすすめします。多重債務は放置するほど状況が悪化するため、今日中に一つの相談窓口に連絡してみてください。


