「昔アイフルで借りていたけれど、過払い金の対象になるのだろうか」。この疑問に答えるために、この記事では対象取引の見分け方と、確認から請求までの流れを整理します。
はじめに前提を共有します。現在のアイフルの貸付条件は利息制限法の範囲内であり、現在の取引で過払い金が発生することはありません。過払い金の対象になるのは、法律が改正される前の高い金利で行われていた取引に限られており、対象者はかなり限定されます。
この記事は特定の事務所をおすすめするものでも、企業を評価するものでもありません。公開されている情報にもとづき、事実関係と手順を整理します。

現在の貸付条件を確認する
公式サイトに掲載されているカードローン(キャッシングローン)の商品概要は、記事執筆時点で次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 貸付利率(実質年率) | 年3.0%〜18.0% |
| 遅延損害金(実質年率) | 年20.0% |
| 融資限度額 | 800万円以内 |
| 返済方式 | 借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式 |
| 返済期間・回数 | 借入直後最長14年6か月・1〜151回 |
利息制限法の上限は、元本10万円未満で年20%、10万円以上100万円未満で年18%、100万円以上で年15%です。上の条件はこの枠の内側に収まっています。したがって、現在の契約にもとづく利息は「払いすぎ」にはなりません。貸付条件は改定されることがあるため、ご自身の契約に適用されている利率は会員ページや契約書面でご確認ください。
対象取引の見分け方
見分け方1 取引が始まった時期
かつては、利息制限法の上限を超えていても、出資法の上限である年29.2%までは刑事罰の対象にならないという状態がありました。この差の部分がグレーゾーン金利です。
金融庁の資料によれば、改正貸金業法の完全施行にともない出資法の上限金利は年29.2%から年20%に引き下げられ、グレーゾーン金利は撤廃されました。以降、貸金業者は利息制限法の範囲内で貸付を行っています。
したがって、この改正より後に始まった取引だけであれば、その時点で対象外という結論になります。改正前から続いていた取引があるかどうかが第一の分かれ目です。
見分け方2 適用されていた利率
取引履歴には、その時点で適用されていた利率が記載されているのが一般的です。利息制限法の上限を超える利率が並んでいれば、引き直し計算をする意味があります。逆に、上限内の利率しか出てこなければ、計算しても過払いにはなりません。
見分け方3 最終取引からの経過年数
過払い金の返還請求権は、原則として最終取引日から10年が経過すると時効により請求できなくなります。これは金額の大小に関係なく効いてくる、いちばん強い制約です。
いったん完済してから再び借入をした場合、それらを一連の取引として扱うかどうかで起算点の判断が変わることがあります。年数が微妙な場合は自己判断せず、専門家に確認しましょう。
①改正前から続いていた取引か ②上限を超える利率だったか ③最終取引から10年以内か。
この3つがそろってはじめて、金額の話に進む意味が出てきます。

確認から請求までの流れ
ステップ1 時期を思い出す
「いつ借り始めたか」「最後に返済したのはいつか」の2点を、分かる範囲で書き出します。契約書やカード、明細、通帳の記録が残っていれば確認してください。手元に何もなくても構いません。
見つかった契約書や明細は、ひとつにまとめて保管しておくと、その後の手続きや相談の際に確認しやすくなります。
契約の有無自体が曖昧な場合は、信用情報機関(CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター)への本人開示が手がかりになります。ただし、完済から長期間が経過していると情報が残っていないこともあります。
ステップ2 取引履歴の開示を請求する
貸金業者には取引履歴を開示する義務があります。最高裁判所は平成17年7月19日の判決でこの点を明らかにしており、その後の法改正でも帳簿の閲覧・謄写に応じる義務が明文化されています。本人が公式の問い合わせ窓口から請求することも、依頼した弁護士・認定司法書士を通じて請求することもできます。
ステップ3 引き直し計算をする
届いた履歴をもとに、利息制限法の上限で計算し直します。上限を超えて払っていた分は元本に充当され、元本がゼロになった後の支払いが過払い金になります。無料で公開されている計算用の表計算ファイルを使えば自分でも計算できますが、取引が長期にわたる場合は入力量が多くなります。
ステップ4 交渉、または訴訟
計算結果をもとに返還を求めます。話し合いで解決する場合と、訴訟を提起する場合があります。交渉では計算額の全額ではなく一定割合での和解になることがあり、訴訟に進めば期間と費用が増えます。
訴訟になった場合の基本的な仕組み
交渉で折り合いがつかない場合、訴訟という選択肢があります。仕組みだけでも知っておくと、専門家の説明が理解しやすくなります。
どこの裁判所に起こすのか
請求する金額(訴額)が140万円以下であれば簡易裁判所、140万円を超えれば地方裁判所が第一審を担当します。この140万円という線は、認定司法書士の代理権の範囲とも重なる数字です。
費用はどうなるのか
訴えを起こすには、訴額に応じた収入印紙と、当事者への連絡に使う郵便切手が必要です。金額は裁判所が公表している手数料額の早見表で確認できます。専門家に依頼する場合は、これらの実費に加えて報酬が発生します。
時間はどうなるのか
訴訟は交渉より時間がかかります。期日が複数回設けられ、和解で終わることもあれば判決に至ることもあります。「交渉なら早いが金額は下がる、訴訟なら時間はかかるが判断は裁判所に委ねられる」という関係を理解したうえで選ぶことになります。
請求する前に知っておきたい影響
そのカードは使えなくなる
過払い金を請求すると、その会社との契約は終了し、以後カードやサービスを利用することはできなくなるのが一般的です。今後も使いたいと考えている場合は、この点を踏まえて判断してください。
返済中の請求は債務整理として扱われる場合がある
まだ返済が続いている借入について引き直し計算をした結果、過払いにならず借金が残った場合、その手続きは任意整理などの債務整理として進みます。この場合は信用情報機関に事故情報として登録され、一定期間は新たな借入やクレジットカードの作成、ローンの利用が難しくなります。
完済済みの取引について請求し、計算の結果が過払いであれば、債務整理としては扱われないのが一般的な取り扱いです。返済中か完済済みかで話がまったく変わります。
回収額が計算どおりにならないことがある
相手方の経営状況によっては、回収できる割合が下がることがあります。また交渉での解決を選んだ場合、計算額を下回る金額で和解することもあります。計算結果は「上限の目安」であって、確約された金額ではありません。

費用と依頼先の考え方
弁護士は取り扱える債権額に上限がなく、交渉から訴訟まで一貫して対応できます。認定司法書士は1社あたりの債権額が140万円以下の範囲に代理権が限られます。最高裁判所は平成28年6月27日の判決で、対象となる個別の債権の価額が140万円を超える場合、認定司法書士は裁判外の和解を代理できないと判断しました。
日本弁護士連合会の規程では、債務整理事件の報酬について次の上限が定められています(消費税別)。
| 区分 | 上限 |
|---|---|
| 過払金報酬金(訴訟によらない場合) | 回収額の20%以下 |
| 過払金報酬金(訴訟による場合) | 回収額の25%以下 |
| 解決報酬金 | 1社あたり2万円以下が原則 |
着手金には上限規制がありません。総額を書面で確認してください。収入と資産が一定の基準以下であれば、法テラスの民事法律扶助を利用できる場合があります。
複数の会社から借りていた場合の考え方
当時、1社だけで済んでいた方は多くありません。複数社から借りていた場合、過払い金の話は少し複雑になります。
会社ごとに結論が変わる
過払いになるかどうかは、会社ごとの取引内容で決まります。A社では過払いになり、B社では借金が残る、という結果も普通に起こります。全社まとめて「戻る・戻らない」を判断することはできません。
返済中の会社があるかどうかで方針が変わる
完済した会社だけであれば、過払い金の返還請求という形で進みます。一方、返済中の会社がある場合は、その借入をどう整理するかという話とセットで考える必要があります。日本弁護士連合会の規程には、他に債務がある場合に過払い金返還請求のみを受任することを原則として禁止する定めがあり、全体をあわせて検討するのが本来の形とされています。
優先順位は時効から考える
複数社ある場合、まず確認したいのは各社の最終取引日です。時効が近い会社があれば、そこから手をつけるのが合理的です。金額の大きさより、期限のほうが優先します。
借入先ごとの最終取引日や返済状況をノートに一覧にしておくと、どこから手をつけるかを判断しやすくなります。

注意したい説明のしかた
・取引履歴を見ていない段階で金額を断言する
・時効やカードが使えなくなる点にまったく触れない
・返済中の請求が債務整理になりうることを説明しない
・その場での契約を強く求めてくる
・費用の内訳を書面で示してもらえない
・弁護士・認定司法書士でない者が「代わりに取り戻す」と持ちかけてくる
最後の項目は法律上の問題を含みます。報酬を得る目的で法律事務を扱えるのは弁護士と認定司法書士に限られます。心当たりがあれば消費者ホットライン188、または警察に相談してください。
よくある質問
Q. 最近借りた分は対象になりますか
A. グレーゾーン金利が撤廃された後に始まった取引であれば、過払い金は発生しません。改正前から続いていた取引かどうかが分かれ目です。
Q. 契約書もカードも残っていません
A. 手続きは進められます。取引履歴は会社に開示を請求できるためです。契約の有無自体が不明な場合は、信用情報の本人開示も手がかりになります。
Q. 完済から10年以上経っています
A. 原則として時効により請求できません。ただし取引が途中で途切れている場合など、起算点の判断が分かれるケースもあるため、念のため確認してください。
Q. 自分ひとりで訴訟まで進められますか
A. 本人訴訟は可能です。ただし主張の組み立てや書面の作成に手間がかかります。訴額が140万円以下であれば簡易裁判所が担当し、比較的利用しやすい手続きになっています。
Q. 返済中でも請求できますか
A. できます。ただし計算の結果、借金が残る場合は債務整理として扱われ、信用情報に登録されます。他社の借入も含めた全体の方針とあわせて検討してください。
Q. 家族に知られたくありません
A. 専門家には守秘義務があります。ただし会社や裁判所からの郵便物が自宅に届く場合があるため、連絡方法の希望は相談の最初に伝えておきましょう。
Q. どのくらい期間がかかりますか
A. 履歴の取り寄せ、計算、交渉という流れをたどるため、数か月単位の時間がかかるのが一般的です。訴訟に進めばさらに延びます。事案によって大きく異なります。
Q. 相談したら必ず依頼しなければいけませんか
A. そのようなことはありません。話を聞いたうえで見送る、他の窓口にも相談する、という判断は自由です。
まとめ
アイフルの過払い金を検討するときは、①改正前から続いていた取引か、②上限を超える利率だったか、③最終取引から10年以内か、という3点を順番に確認するのが近道です。現在の貸付条件は利息制限法の範囲内であり、現在の取引で過払い金が生じることはありません。
3つの条件に当てはまりそうだと感じたら、次は取引履歴の開示請求です。金額を推測している時間より、履歴を1社分取り寄せるほうが着実に前に進みます。
費用の不安がある場合や、まず中立的に話を聞きたい場合は、法テラス、各地の弁護士会・司法書士会の相談窓口という選択肢があります。1か所で結論を出さず、複数の窓口で話を聞いて比べてください。
なお、この記事は一般的な情報提供であり、個別の法的助言ではありません。効果・期間・費用は事案ごとに異なります。実際の判断にあたっては、弁護士・認定司法書士・法テラスにご相談ください。
・法テラス・サポートダイヤル 0570-078374
・消費者ホットライン 188(局番なし)
・お住まいの地域の弁護士会 法律相談センター
・お住まいの地域の司法書士会 相談センター
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参考:裁判所 – 手数料



