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特定調停のやり方と費用|簡易裁判所への申立ての流れをわかりやすく解説

債務整理の基礎知識

債務整理の方法を調べていると、任意整理・個人再生・自己破産に並んで「特定調停」という言葉が出てきます。ただ、他の3つに比べて情報が少なく、どんな手続きなのかイメージしにくいという声をよく聞きます。

特定調停は簡易裁判所に申し立てて、債権者との話し合いを裁判所に仲介してもらう手続きです。裁判所が公表している資料によれば、申立ての費用は相手方1社につき数百円程度と低額で、専門家に依頼せず自分で進めることも想定された制度になっています。

この記事では、裁判所の公式情報にもとづいて、費用・必要書類・手続きの流れを順番に整理します。あわせて、見落とされがちな「調停調書の効力」についても丁寧に説明します。

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「費用が安い」って聞くと飛びつきたくなるよね。でも安さの裏側には理由がある。最後まで読んで、メリットと引き換えになるものを知ってから決めよう。

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特定調停とはどんな手続きか

制度の目的

裁判所の説明によれば、特定調停は「債務の返済ができなくなるおそれのある債務者の経済的再生を図るため、金銭債務に係る利害関係の調整を行うことを目的とする手続」です。民事調停の一種で、簡易裁判所が担当します。

調停委員が間に入り、返済条件について当事者双方の話し合いを進めます。裁判のように勝ち負けを決めるのではなく、合意を目指す手続きという点が特徴です。

誰が利用できるのか

法人・個人、事業者・非事業者を問わず利用できます。会社の債務についても、個人の借金についても使える制度です。

任意整理との違い

任意整理は、裁判所を通さずに債権者と直接交渉する手続きです。これに対し特定調停は、裁判所という第三者の場を使います。

項目 特定調停 任意整理
裁判所 簡易裁判所を使う 使わない
申立費用 相手方1社につき数百円程度 裁判所費用は不要
本人で進めること 想定されている 可能だが交渉力が課題
出頭 期日への出頭が必要 不要
合意した内容の効力 調停調書は確定判決と同一の効力 和解契約としての効力

申立てにかかる費用

裁判所の案内によれば、個人が申し立てる場合の費用は次のとおりです。

項目 金額
申立手数料(収入印紙) 相手方1人(1社)につき500円
手続費用(予納郵便切手) 相手方1人(1社)につき500円分

予納郵便切手は、100円切手4枚と10円切手10枚という組み合わせで求められる例があります。手続きが進むなかで追加提出を求められる場合もあります。収入印紙と郵便切手はいずれも郵便局で購入できます。

申立書の控えや印紙・切手、裁判所から届く書類は、なくさないようにクリアファイルなどで1か所にまとめておくと安心です。

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3社に申し立てる場合の例

相手方が3社の場合、収入印紙は500円×3社で1,500円、予納郵便切手は500円分×3社で1,500円分。合計3,000円が目安です。この金額の低さが、特定調停の大きな特徴です。

なお、事業者や法人が申し立てる場合は、債務額の元本が高額になることが多く、手数料の算出方法が複雑になることがあります。申立てを予定する裁判所に確認してください。

専門家に依頼する場合

本人で申し立てることが想定された制度ですが、弁護士や認定司法書士に依頼することもできます。その場合は上記の実費に加えて報酬が発生します。費用の内訳と総額を、依頼前に書面で確認してください。

依頼先を選ぶときは、代理できる範囲の違いも押さえておいてください。日本司法書士会連合会の説明によれば、法務大臣の認定を受けた司法書士(認定司法書士)が代理できるのは、簡易裁判所における訴額140万円以下の訴訟、民事調停、仲裁事件、裁判外の和解などです。特定調停は簡易裁判所の民事調停ですから、この枠内であれば認定司法書士に依頼できます。

ここで間違えやすいのが金額の見方です。基準になるのは「借金の総額」ではなく、1社あたりの債権額です(最高裁平成28年6月27日判決)。1社あたりの額がこれを超える場合や、個人再生・自己破産といった裁判所への申立てを検討する場合は、弁護士に相談することになります。個人再生と自己破産については、認定司法書士は代理人になれず、関与は申立書類の作成にとどまります。

収入と資産が一定の基準以下であれば、法テラスの民事法律扶助により無料法律相談や費用の立替を利用できる場合があります。

ナビ助
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3社で3,000円くらい。この安さは本当に魅力なんだ。ただし「お金がかからない=負担がない」じゃないよ。時間と手間は自分持ちになる。

申立ての準備と必要書類

どこに申し立てるのか

原則として、相手方(債権者)の住所や営業所などの所在地を管轄する簡易裁判所に申し立てます。複数の債権者がいる場合の取り扱いを含め、具体的な申立先は申立てを予定する裁判所に確認するのが確実です。裁判所によっては郵送での申立てにも対応しています。

主な必要書類

裁判所が案内している主な書類

・特定調停申立書(正本・副本)
・財産の状況を示す明細書など
・関係権利者一覧表
・資格証明書(法人が申し立てる場合)

申立書にはひな型が用意されており、十分な法律知識がなくても記入できるよう配慮されています。裁判所の窓口やウェブサイトで入手できます。

あわせて用意しておきたいもの

債権者ごとの借入残高が分かる資料、収入が分かる資料、家計の状況をまとめたメモがあると、期日での説明がスムーズになります。「毎月いくらなら無理なく払えるか」を自分の言葉で説明できる状態にしておくことが、この手続きの要になります。

家計の状況は、収入と支出を項目ごとに書き込める家計管理ノートにまとめておくと、期日での説明にもそのまま使えます。

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申立てから終了までの流れ

ステップ1 申立て

必要書類をそろえて簡易裁判所に提出します。収入印紙と予納郵便切手もあわせて納めます。

ステップ2 事情聴取期日

裁判所から呼び出しがあり、申立人が事情を説明します。借入の経緯、現在の収入と支出、返済に充てられる金額などを聞かれます。

ステップ3 調整期日

調停委員が債権者との間に入り、返済条件の調整を行います。裁判所の案内によれば、申立人が出頭するのは2回程度、手続き全体は通常2か月程度で終了するとされています。

ステップ4 終了のかたち

終わり方には3つのパターンがあります。

終了のかたち 内容
調停成立 合意内容が調書に記載される。確定判決と同一の効力を持つ
調停に代わる決定 相手方が出頭しない場合などに、合意した内容で決定がなされる
不成立 折り合いがつかず、合意ができないまま手続きが終了する

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いちばん大事な注意点:調停調書の効力

ここが特定調停を検討するうえで最も重要な部分です。

裁判所の説明によれば、合意が成立し、これが調書に記載されたとき、その記載は確定判決と同一の効力を持ちます。債務者としては、これに従って弁済すればよく、それ以上の取立てを受けることはありません。

ただし、この効力には裏の面もあります。確定判決と同じ効力があるということは、調書に記載された返済を守れなかった場合、債権者はその調書にもとづいて強制執行を申し立てることができるということです。給与や預貯金の差押えが行われる可能性があります。

必ず押さえておきたい注意

調停調書は「守れば取立てが止まる約束」であると同時に、「守れなければ強制執行の根拠になる書面」でもあります。
無理のある返済額で合意してしまうと、あとから修正するのは容易ではありません。期日では、背伸びをせず、無理なく払い続けられる金額を伝えてください。

ナビ助
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ここ、絶対に読み飛ばさないでほしいところ。その場の空気で「がんばれます」って言っちゃうと、あとで自分の首を絞めることになるんだ。

進めるうえでのポイント

1 家計を先に整理する

収入から生活費を引いて、返済に回せる金額を数字で把握しておきます。ここが曖昧なまま期日に臨むと、根拠のない金額で合意してしまいかねません。

返済に回せる金額を計算するときは、手元に電卓を用意しておくと数字の確認がしやすくなります。

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2 期日に出頭できるか確認する

2回程度とはいえ、平日の日中に裁判所へ行く必要があります。仕事の都合で出頭が難しい場合、この手続きは向いていないかもしれません。

3 将来利息の扱いを確認する

返済条件をどう調整するかは話し合いの結果次第です。合意の内容がどうなるかを、期日の場でしっかり確認してください。

4 不成立の可能性も想定しておく

相手方が応じなければ合意には至りません。その場合、任意整理・個人再生・自己破産といった他の方法を検討することになります。あらかじめ選択肢を知っておくと、動揺せずに済みます。

この手続きが合いやすい状況・合いにくい状況

制度の良し悪しではなく、状況との相性の問題です。次のような整理をしてみてください。

合いやすいと考えられる状況

相性がよい場合

・専門家に支払う費用を用意するのが難しい
・債権者の数が少ない
・安定した収入があり、条件が整えば返済を続けられる見通しがある
・平日の日中に裁判所へ出向く時間を確保できる
・書類の作成や説明を自分で行うことに抵抗がない

合いにくいと考えられる状況

他の手続きも検討したい場合

・返済に回せる金額がほとんど残らない
・債権者が多く、期日の調整が現実的でない
・平日に休みを取ることが難しい
・住宅を残したいなど、守りたい財産がある
・すでに督促や訴訟が進んでいて、対応に時間の余裕がない

とくに返済に回せる金額がほとんど残らない場合は、返済条件を調整するという発想そのものが合いません。この場合は個人再生や自己破産を含めて検討することになります。どの手続きが適しているかは事案によって異なるため、早い段階で専門家に相談してください。

申立書にはどんなことを書くのか

「書類を自分で作る」と聞くと身構えてしまいますが、書く内容は難しい法律論ではありません。裁判所が用意しているひな型に沿って、事実を埋めていく作業です。

申立ての趣旨と理由

どのような調整を求めるのか、なぜ返済が難しくなったのかを記載します。文章力を問われる場面ではなく、事実を素直に書けば足ります。

関係権利者一覧表

どこから、いつ、いくら借りて、今いくら残っているのか。債権者ごとに一覧にします。ここに漏れがあると、その債権者は手続きの対象になりません。思い当たる借入はすべて洗い出してください。

財産の状況を示す明細書

収入、支出、預貯金、保有している財産などを記載します。返済に回せる金額の根拠になる部分なので、実態に即して書くことが大切です。

ナビ助
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書類って「立派に書かなきゃ」と思いがちだけど、逆だよ。飾らずに、今の状況をそのまま書くのが一番いいんだ。裁判所が知りたいのは事実だからね。

よくある質問

Q. 弁護士に頼まなくても本当にできますか

A. 裁判所の案内では、十分な法律知識がなくても申立書のひな型を使って自分で手続きを進められる制度として説明されています。ただし、家計の説明や返済額の判断は自分で行う必要があります。

Q. 費用は本当に数百円で済みますか

A. 裁判所に納める申立手数料と予納郵便切手は、個人の場合、相手方1社につきそれぞれ500円が目安です。ただし追加提出を求められる場合や、専門家に依頼する場合の報酬は別です。

Q. どのくらいの期間がかかりますか

A. 裁判所の案内では、通常2か月程度で終了するとされています。事案によって変わります。

Q. 会社に知られませんか

A. 裁判所から勤務先に通知が行く仕組みではありません。ただし、返済が滞って強制執行に至った場合は、給与の差押えを通じて勤務先が知ることになります。

Q. 信用情報にはどう記録されますか

A. 債務整理の一種として扱われるため、信用情報機関に記録され、一定期間は新たな借入やクレジットカードの作成が難しくなります。詳しい期間は機関ごとの運用によります。

Q. 相手方が出頭しない場合はどうなりますか

A. 裁判所の案内によれば、相手方が出頭しないときは、合意した内容の特定調停に代わる決定がなされる場合があります。

Q. 途中でやめることはできますか

A. 申立ての取下げは可能です。ただし、その後の返済をどうするかという問題は残ります。取り下げる前に、次の手を考えておきましょう。

Q. 住宅ローンがあっても使えますか

A. 対象とする債権者を選んで申し立てることは考えられますが、住宅を守りたい場合は個人再生の住宅ローン特則など他の選択肢と比較する必要があります。専門家に相談してください。

まとめ

特定調停は、簡易裁判所を使って債権者と返済条件を調整する手続きです。申立ての費用は相手方1社につき収入印紙500円と予納郵便切手500円分程度と低額で、本人が自分で進めることも想定されています。手続きは事情聴取期日と調整期日の2段階で進み、通常2か月程度で終わるとされています。

一方で、合意が調書に記載されると、その記載は確定判決と同一の効力を持ちます。返済を守れなかった場合、その調書にもとづいて強制執行を受ける可能性があるという点は、費用の安さと引き換えに背負う重要なリスクです。

どの手続きが適しているかは、借入の状況、収入、守りたい財産によって変わります。効果や期間、費用も事案ごとに異なります。この記事は一般的な情報提供であり、個別の法的助言ではありません。判断にあたっては、弁護士・認定司法書士・法テラスにご相談ください。

主な相談先

・法テラス・サポートダイヤル 0570-078374
・消費者ホットライン 188(局番なし)
・お住まいの地域の弁護士会 法律相談センター
・お住まいの地域の司法書士会 相談センター
・申立てを予定する簡易裁判所の手続案内

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参考:東京簡易裁判所 – 特定調停

参考:裁判所 – 民事調停

参考:法テラス – 民事法律扶助業務

参考:日本司法書士会連合会 – 司法書士の業務

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