債務整理について調べていると、司法書士法人はたの法務事務所という名前を目にすることがあります。同時に、評判や口コミをまとめたページも数多く見つかります。しかし、それらを読み比べても、判断の材料になる情報にたどり着けたという実感は得にくいのではないでしょうか。
先に、この記事のスタンスをはっきり書いておきます。この記事は、特定の事務所をおすすめしたり、他の事務所と比べて優れている・劣っていると評価したりするものではありません。個別の事案に適した専門家は、債務の内容や希望する手続きによって変わりますし、外から見える情報だけで優劣を判断できるものでもないからです。
代わりにこの記事では、公的な名簿や事務所自身が公表している情報から確認できる事実を整理し、あわせて司法書士事務所に依頼する際に押さえておくべき制度上の前提と、口コミを読むときの注意点をまとめます。判断そのものは、ご自身で行っていただくための材料としてお使いください。

この記事で扱うことと扱わないこと
| 扱うこと | 扱わないこと |
|---|---|
| 公的な名簿で確認できる登録情報 | 他事務所との優劣の評価 |
| 事務所が公式サイトで公表している内容 | 出所が確認できない体験談や口コミの引用 |
| 司法書士に依頼する際の制度上の前提 | 「必ず減額できる」といった結果の断定 |
| 事務所を選ぶときの確認ポイント | 個別事案に対する法的助言 |
公的な名簿で確認できること
まず実在と登録を確認する
依頼先を検討するとき、最初にやるべきなのはその事務所が実在し、正規の登録を受けているかを公的な名簿で確認することです。司法書士については、日本司法書士会連合会や各地の司法書士会が会員検索を公開しています。
司法書士法人はたの法務事務所については、東京司法書士会の会員検索に法人として登録があり、記事執筆時点で次のように確認できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 司法書士法人はたの法務事務所 |
| 所属 | 東京司法書士会 |
| 法人登録番号 | 11-00134 |
| 所在地 | 東京都杉並区荻窪5丁目16番12号 荻窪NKビル5階 |
| 簡裁訴訟代理関係業務の認定 | あり |
※東京司法書士会の会員検索に基づく記事執筆時点の情報です。最新の登録状況は各司法書士会の会員検索でご確認ください。
この確認になぜ意味があるのか
債務整理を業として行えるのは、弁護士と、一定の範囲で認定司法書士に限られます。正規の登録がない者が報酬を得て債務整理を行うことは、法律上認められていません。広告の見栄えではなく、公的名簿での確認が最初のふるいになります。これは特定の事務所に限らず、どの依頼先を検討する場合でも同じです。
司法書士なら日本司法書士会連合会・各司法書士会の会員検索、弁護士なら日本弁護士連合会・各弁護士会の会員検索。依頼を検討する事務所は、まずここで名前と登録番号を照合しましょう。
事務所が公表している情報
次に、事務所自身が公式サイトで公表している内容を整理します。以下は記事執筆時点の公表内容であり、変更される可能性があります。
| 項目 | 公表されている内容 |
|---|---|
| 法人格 | 司法書士法人 |
| 東京本店 | 〒167-0051 東京都杉並区荻窪5-16-12 荻窪NKビル5階・6階 |
| 大阪支店 | 〒532-0011 大阪府大阪市淀川区西中島4-11-21 新大阪コパービル303 |
| 代表者 | 鈴木法克(認定番号 第101196号/東京司法書士会 登録番号 東京第7018号)、幡野博文(認定番号 第401159号/東京司法書士会 登録番号 東京第1545号) |
| 取扱業務 | 債務整理(任意整理・自己破産・個人再生)、過払い金請求、登記業務 |
| 相談料・着手金 | 無料と案内 |
| 対応エリア | 全国出張相談に対応(出張費用は無料と案内) |
| 無料相談ダイヤル | 0120-963-164(平日8:30〜21:30、土日祝8:30〜21:00) |
| 依頼専用ダイヤル | 03-5335-6450(平日10:00〜18:30) |
| Web相談 | 24時間受付と案内 |
※公式サイトの公表内容(記事執筆時点)を整理したものです。費用体系や受付時間は変更されることがあるため、実際の内容は必ず公式サイトおよび相談時の説明でご確認ください。
費用についての考え方
公式サイトでは、相談料と着手金が無料であること、過払い報酬が14.0%からであることなどが案内されています(記事執筆時点)。ただし、債務整理の費用は手続きの種類、債権者の数、事案の内容によって変わります。
依頼前に確認したいのは「最低額」ではなく「自分のケースでの総額」です。基本報酬、減額報酬、過払い報酬、実費、裁判所に納める費用など、項目ごとの内訳と合計の見込みを書面で示してもらうことをおすすめします。これも特定の事務所に限らず、どこに依頼する場合でも共通する確認事項です。
受け取った見積もりや契約書などの書面は、事務所ごとにファイルへまとめておくと、あとで見比べやすくなります。

司法書士に依頼するときの制度上の前提
ここは、事務所の評判よりもはるかに重要な部分です。司法書士事務所である以上、制度上の代理権の範囲が決まっています。これは事務所の良し悪しの話ではなく、法律で定められた枠組みの話です。
認定司法書士とは
司法書士のうち、法務大臣の認定を受けた者を認定司法書士といいます。認定司法書士は、簡易裁判所における訴訟代理関係業務を行うことができます。債務整理の文脈では、債権者との裁判外の交渉(任意整理)を代理できるかどうかに関わります。
1社あたりの債権額140万円という上限
最高裁判所は平成28年6月27日の判決で、認定司法書士が債務整理を受任した場合について、個別の債権額が140万円を超えるときは、その債務に関して裁判外の和解について代理人となることはできないと判断しました。
ここで注意していただきたいのは、この140万円が「借金の総額」ではなく「1社あたりの債権額」を指しているという点です。この点は誤解が多いところです。
| ケース | 総額 | 認定司法書士の代理の可否(任意整理) |
|---|---|---|
| 5社から100万円ずつ | 500万円 | 1社あたり140万円以下なので代理できる範囲 |
| 1社から200万円 | 200万円 | その債務については代理できない |
| 3社(80万円・120万円・160万円) | 360万円 | 160万円の債務については代理できない |
個人再生・自己破産では代理人になれない
もうひとつ重要な点です。個人再生と自己破産は、地方裁判所に申立てをする手続きです。認定司法書士は、これらの手続きについて代理人になることはできず、裁判所に提出する書類の作成が業務範囲となります。
実務上どういう違いが出るかというと、申立人本人が裁判所とやり取りする場面が生じるということです。裁判所からの照会への対応、書類の追完、期日への出頭などが、本人の役割として残ります。
| 手続き | 弁護士 | 認定司法書士 |
|---|---|---|
| 任意整理(裁判外の交渉) | 金額の制限なく代理可能 | 1社あたりの債権額140万円以下の範囲で代理可能 |
| 個人再生 | 代理人として申立て可能 | 書類作成が業務範囲(代理人にはなれない) |
| 自己破産 | 代理人として申立て可能 | 書類作成が業務範囲(代理人にはなれない) |
| 過払い金返還請求訴訟 | 金額の制限なく代理可能 | 簡易裁判所の範囲(訴額140万円以下)で代理可能 |
この枠組みは、司法書士事務所であれば共通して適用されます。したがって、司法書士事務所と弁護士事務所のどちらに相談するかを考える際は、自分の債務が1社あたりいくらなのか、希望する手続きが何なのかを先に整理しておくと判断しやすくなります。
借入先ごとの残高や毎月の返済額は、ノートに一覧で書き出しておくと、相談のときに説明しやすくなります。
相談時に、代理権の範囲について説明があるかどうかは確認したいポイントです。1社あたり140万円を超える債務がある場合や、個人再生・自己破産を検討している場合は、その手続きで自分が何をすることになるのかを具体的に聞いておきましょう。

口コミ・評判をどう読むか
広告と口コミは区別しにくい
検索で上位に出てくる「評判まとめ」の多くは、広告収入を目的として運営されているサイトです。そのこと自体が悪いわけではありませんが、読む側は「これは中立的な評価ではないかもしれない」という前提で読む必要があります。
ステルスマーケティング規制
広告であるにもかかわらず、それを隠して第三者の感想であるかのように見せる表示は、景品表示法上の不当表示として規制の対象になっています。出所が示されていない「利用者の声」は、そのまま信じる材料にはなりません。この記事でも、出所を確認できない体験談は一切掲載していません。
数字は根拠とセットで見る
「相談実績◯万件」「満足度◯%」といった数字がまとめサイトに掲載されていることがあります。こうした数字を見たときは、誰が、いつ、どのような方法で調査した数字なのかが示されているかを確認してください。調査方法の記載がない満足度や、集計期間の分からない実績件数は、比較の材料としては使いにくいものです。
体験談は事案が違う
仮に本物の体験談だったとしても、その人の債務の内容、収入、債権者の数、手続きの種類は、あなたのケースとは異なります。「この人はこうなったから自分もこうなる」とは考えないでください。債務整理の結果は事案ごとに異なり、事前に断定できるものではありません。
体験談に頼らずに制度の全体像を知っておきたい方は、債務整理の仕組みを解説した本で基本を押さえておく方法もあります。
司法書士の広告にはルールがある
司法書士については、司法書士法や司法書士会の会則等により、業務広告に関するルールが定められています。誇大な表示や品位を害する広告は認められていません。依頼先を検討する際、断定的すぎる表現や過度に射幸心をあおる表現が使われていないかは、ひとつの見方になります。
事務所を選ぶときに自分で確認できること
特定の事務所の良し悪しではなく、どこに相談する場合でも自分の目で確認できるポイントを整理します。
| 確認項目 | 確認の仕方 |
|---|---|
| 登録の有無 | 各司法書士会・弁護士会の会員検索で名称と登録番号を照合する |
| 代理権の範囲 | 自分の債務構成を伝えたうえで、どこまで代理できるかの説明を受ける |
| 費用の総額 | 項目ごとの内訳と、自分のケースでの合計見込みを書面でもらう |
| 担当者 | 実際に担当するのが誰か、司法書士本人と面談できるかを確認する |
| 説明の姿勢 | デメリットやリスクについても説明があるかを見る |
| 連絡手段 | 進捗をどのように知らせてもらえるかを確認する |
断定する説明には注意
相談の場で「必ず減額できる」「借金がゼロになる」といった断定的な説明があった場合は、いったん立ち止まってください。債務整理の効果、費用、期間は事案によって異なり、着手前に結果を保証できるものではありません。デメリットや信用情報への影響についても説明があるかどうかは、ひとつの目安になります。

公的な窓口も並行して使う
民間の事務所を比較する前に、中立的な立場の窓口で現状を整理しておくと、判断の基準を作りやすくなります。
| 窓口 | 連絡先 | 内容 |
|---|---|---|
| 法テラス | 0570-078374 | 法的トラブルの総合案内。資力基準を満たせば無料法律相談や費用の立替制度も |
| 日本クレジットカウンセリング協会 | 0570-031640 | 多重債務ほっとライン。相談は無料 |
| 消費者ホットライン | 188 | 身近な消費生活センター等につながる |
| 各地の弁護士会・司法書士会 | 法律相談センター等 | 借金問題の相談 |
司法書士の登録状況は日本司法書士会連合会や各司法書士会の会員検索で確認できます。無料法律相談の資力基準や費用立替制度の詳細は法テラス、公的な相談窓口の一覧は金融庁「多重債務についての相談窓口」に掲載されています。
よくある質問
司法書士と弁護士のどちらに相談すべきですか
一律の答えはありません。判断の材料になるのは、1社あたりの債権額が140万円を超えているかどうかと、希望する手続きが任意整理か、個人再生・自己破産かの2点です。1社あたり140万円を超える債務がある場合や、裁判所の手続きを検討している場合は、代理権の範囲を踏まえて選ぶことになります。
無料相談を受けたら必ず依頼しなければなりませんか
そういうことはありません。相談は選択肢を知るための場です。複数の窓口で話を聞いたうえで判断して差し支えありません。
相談実績や満足度の数字は判断材料になりますか
調査方法や集計期間が示されている数字であれば、参考のひとつにはなります。出所や調査方法が示されていない数字は、比較の根拠としては使えません。
全国対応と書かれていれば地方でも同じように依頼できますか
対応方法は事務所によって異なります。電話とWebだけで完結するのか、出張面談があるのか、どの段階で来所が必要になるのかを、相談時に具体的に確認してください。
費用が「◯円から」と書かれている場合、その金額で済みますか
「◯円から」は下限の表示です。債権者の数や手続きの内容によって総額は変わります。自分のケースでの見積もりを出してもらうことが必要です。
依頼したあとに事務所を変えることはできますか
委任契約の解除は可能ですが、それまでに発生した費用の精算など、契約内容に応じた取扱いになります。契約前に、中途解約時の費用の扱いを確認しておくとよいでしょう。
この記事の情報は最新ですか
記事執筆時点で公表されていた情報を整理したものです。登録情報、費用、受付時間はいずれも変更されることがありますので、実際の判断にあたっては公式サイトと司法書士会の会員検索で最新の内容をご確認ください。
まとめ
司法書士法人はたの法務事務所については、東京司法書士会の会員検索で法人としての登録と簡裁訴訟代理関係業務の認定を確認でき、公式サイトでは債務整理・過払い金請求・登記業務の取扱い、相談料と着手金が無料であること、全国出張相談への対応などが案内されています(記事執筆時点)。
ただし、こうした公表情報だけで依頼先を決められるわけではありません。より重要なのは、司法書士事務所である以上、認定司法書士の代理権は1社あたりの債権額140万円以下に限られ、個人再生・自己破産では代理人になれず書類作成が業務範囲となるという制度上の前提です。自分の債務が1社あたりいくらなのか、どの手続きを希望するのかによって、適した相談先は変わります。
口コミや評判については、出所と調査方法が示されているかを確かめ、体験談は事案が異なるものとして読んでください。そのうえで、登録の確認、費用の内訳と総額、担当者、説明の姿勢といった、自分の目で確認できるポイントを押さえることをおすすめします。
債務整理の効果・費用・期間はいずれも事案によって異なります。この記事は一般的な情報の整理であり、個別の法的助言ではありません。具体的な判断は、法テラス(0570-078374)や各地の弁護士会・司法書士会の相談窓口、弁護士・認定司法書士への相談を通じて行ってください。



