借金の相談先を探していると、グリーン司法書士法人の名前を見かけることがあります。実際のところどうなのかを確かめたくて、「評判」「口コミ」と一緒に検索した方も多いと思います。
ただ、集めた評判をそのまま自分の判断に使うのは難しい面があります。債務整理の結果は、借入の時期・件数・金額・収入の状況によって一件ごとに変わるため、他人の体験談から自分の結果を見通すことはできません。
そこでこの記事では、口コミの中身を並べる代わりに、公式サイトで確認できる事実と、依頼先を決める前にご自身で確認しておきたい項目を整理します。特定の事務所を推奨する記事でも、評価を下げる記事でもありません。

グリーン司法書士法人の基本情報
公式サイトで確認できる範囲の情報を整理します。以下は記事執筆時点の内容であり、変更される可能性があります。最新の内容は公式サイトでご確認ください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | グリーン司法書士法人(行政書士法人を併設) |
| 種別 | 司法書士法人(弁護士法人ではありません) |
| 代表社員 | 山田愼一(東京司法書士会 第8849号/簡裁訴訟代理認定 第512206号) |
| 拠点 | 大阪淀屋橋(大阪市中央区高麗橋・本店)/大阪難波/東京(新宿区西新宿)/名古屋/札幌/福岡 |
| 主な取扱分野 | 債務整理、相続手続き、不動産登記、商業登記 |
| 相談料 | 無料(メールは24時間受付、電話は平日9時〜20時/土日祝9時〜18時と案内されています) |
債務整理以外の分野も扱っている事務所
グリーン司法書士法人は、債務整理に加えて相続手続きや不動産登記も取扱分野としています。借金の整理と同時に、相続した不動産の名義や、住まいの登記に関する相談も出てくる場合には、窓口が一本化されるという利点があります。
一方で、債務整理だけを集中的に扱う事務所とは体制の考え方が異なります。どちらが良いというものではなく、ご自身の相談内容がどこにあるのかで選び分けるのが現実的です。
借金に関する書類と相続や登記の書類は、ファイルを分けて保管しておくと、相談のときにも説明しやすくなります。
認定司法書士に依頼できる範囲は法律で決まっている
司法書士事務所に債務整理を依頼する場合、対応できる範囲には法律上の制限があります。事務所の力量ではなく、資格ごとに与えられた権限の違いによるものです。
1社あたり140万円という上限
認定司法書士が裁判外の和解を代理できるのは、1社あたりの債権額が140万円以下の場合に限られます。「借金の総額が140万円以下」という意味ではありません。
この基準は最高裁判所の判決(平成28年6月27日)で示されました。債務整理の対象となる個別の債権の価額が140万円を超える場合、その債権に係る裁判外の和解について代理することができないという判断です。
公式サイトでも、簡裁訴訟代理関係業務の認定を受けた司法書士として、訴額140万円以下の民事訴訟手続などの代理業務を行うと案内されています。この枠の中でできることと、枠を超える場合にどうなるかを、相談の場で確認しておくと安心です。
個人再生・自己破産は「書類作成」による支援になる
金額に関係なく生じる制限もあります。個人再生と自己破産は裁判所への申立て手続きであるため、認定司法書士は代理人になることができません。この場合に司法書士が行えるのは、申立書類の作成による支援です。
そのため、裁判所とのやり取りや、裁判官との面接・債権者集会といった場面で、ご本人が対応する必要が出てくることがあります。代理人が立つ形にはならないという点は、依頼前に理解しておきたいところです。
| 手続き | 認定司法書士 | 弁護士 |
|---|---|---|
| 任意整理 | 1社あたり140万円以下なら代理できる | 金額の制限なく代理できる |
| 過払い金返還請求 | 同上(1社あたり140万円以下) | 金額の制限なく代理できる |
| 個人再生 | 書類作成による支援 | 代理人として申立てができる |
| 自己破産 | 書類作成による支援 | 代理人として申立てができる |
| 訴訟 | 簡易裁判所の範囲に限られる | 地方裁判所以上も代理できる |

費用の枠組み(記事執筆時点)
公式サイトで案内されている費用は、おおむね次のような構成です。金額は変更される可能性があるため、実際の依頼にあたっては公式サイトと相談時の説明で確認してください。
| 手続き | 案内されている費用 |
|---|---|
| 相談料 | 無料 |
| 任意整理 | 着手金 0円/基本料金 1社あたり19,800円〜(税込21,780円〜)/減額成功報酬なしと案内 |
| 過払い金返還請求 | 着手金 0円/返還成功報酬 回収額の20%(裁判による回収の場合は25%・税込27.5%) |
| 個人再生 | 着手金 0円/基本料金 30万円(税込330,000円〜)/住宅ローン特例計画案の付加料金 5万円(税込55,000円〜) |
| 自己破産 | 着手金 0円/基本料金 24万円(税込264,000円〜/同時廃止事件)・39万円(税込429,000円〜/管財事件) |
費用を読むときのコツ
任意整理の費用は1社あたりの単価で積み上がるのが一般的です。債権者が5社あれば単価の5倍が基本となるため、社数を掛け合わせて総額を見積もっておくと想定とのずれが減ります。
社数を掛け合わせる計算は、電卓を使うと手早く確かめられます。
また、個人再生や自己破産では、事務所に支払う費用のほかに裁判所に納める費用や予納金が必要になります。管財事件になるかどうかで負担が変わるため、見込みを相談の場で確認しておくと予算を立てやすくなります。
報酬水準を考える手がかり
司法書士の報酬は自由化されており、一律の基準はありません。参考として、弁護士に依頼する場合の上限は日本弁護士連合会の「債務整理事件処理の規律を定める規程」で定められています(いずれも消費税別)。
・任意整理の解決報酬金:1社あたり2万円以下が原則(商工ローンは5万円以下)
・任意整理の減額報酬金:減額分の10%以下
・過払金報酬金:訴訟によらない場合は回収額の20%以下、訴訟による場合は25%以下
これは弁護士に適用されるルールであり、司法書士にそのまま当てはまるものではありません。それでも、提示された報酬がどの程度の水準にあるかを自分で考える物差しになります。表示が税込か税別かをそろえて比べることも忘れないでください。

手続きの進み方
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 1. 相談 | 借入先・残高・収入を伝え、取りうる手続きの説明を受ける |
| 2. 契約 | 費用と受任範囲の説明を受けたうえで委任契約を結ぶ |
| 3. 受任通知 | 債権者へ通知が届き、直接の督促や取立てが止まる |
| 4. 調査・引き直し計算 | 取引履歴を取り寄せ、正確な残高と過払い金の有無を確認する |
| 5. 交渉または申立て | 任意整理なら和解交渉、個人再生・自己破産なら裁判所への申立て |
| 6. 終了 | 和解に沿った返済の開始、または免責・再生計画の認可 |
受任通知が届いた時点で、債権者からの直接の督促は止まります。返済期日に追われている状態から抜け出せるという点で、この段階に早く到達できるかどうかは負担の軽さに関わってきます。

口コミ・評判をどう読むか
広告目的の記事が混在している
事務所名で検索すると、比較サイトやまとめ記事が多数表示されます。その中には広告収入を目的として作られたものが含まれており、掲載順や評価の高さが実力を反映しているとは限りません。運営者情報が明示されているかを確認するだけでも、読み方が変わります。
同じ対応でも受け取り方が分かれる
連絡の頻度ひとつをとっても、こまめな連絡を安心と感じる人もいれば、負担に感じる人もいます。評価の言葉だけを拾うのではなく、その人が何を期待していたのかまで読むと、自分にとって参考になるかどうかを見分けやすくなります。
結果は事案の条件で決まる
減額の可否や幅は、取引期間・金利・残高・収入によって変わります。同じ事務所に依頼しても結果が同じになるわけではありません。この点はどの事務所についても共通です。
相談前に確認しておきたいこと
1. 1社あたりの債権額が140万円を超えていないか(自分の明細で確認)
2. 個人再生・自己破産を検討する場合、書類作成による支援になることの説明があるか
3. 債権者の数を踏まえた総額の目安(実費・裁判所費用を含む)
4. 基本料金以外に発生する費用の有無
5. 支払い方法(分割の可否・回数)
6. 担当窓口と連絡手段、進捗の報告方法
7. 委任契約書と費用の説明書面が交付されるか
公的な無料相談も選択肢に入れる
民間の事務所に問い合わせる前に、公的な窓口で全体像をつかんでおく進め方もあります。費用をかけずに整理の方向性を確認できるため、比較の土台をつくるのに向いています。
| 窓口 | 特徴 |
|---|---|
| 法テラス | 資力基準を満たす場合、無料法律相談や費用の立替制度を利用できる |
| 各地の司法書士会 | 相談センターを設けている会がある |
| 各地の弁護士会 | 法律相談センターで借金に関する相談を受け付けている |
| 消費者ホットライン | 局番なし188。身近な消費生活相談窓口につながる |

よくある質問
Q. 借金の総額が140万円を超えていたら依頼できませんか
A. 判断されるのは1社あたりの債権額です。総額が300万円でも、1社あたりが140万円以下に収まっていれば認定司法書士が代理できる範囲に入ります。
Q. 自己破産を司法書士に依頼するとどうなりますか
A. 認定司法書士は裁判所への申立ての代理人になれないため、申立書類の作成による支援という形になります。裁判所とのやり取りにご本人が関わる場面が出てきます。
Q. 相続の相談も一緒にできますか
A. 相続手続きや不動産登記も取扱分野として案内されています。関連する相談がある場合は、最初の問い合わせの段階で伝えておくと話が進めやすくなります。
Q. 相談したら依頼しなければいけませんか
A. 相談と依頼は別です。委任契約を結ぶまでは依頼したことになりません。複数の事務所に相談してから決めても差し支えありません。
Q. 遠方に住んでいても依頼できますか
A. 電話やオンラインでの相談に対応する事務所が増えています。書類のやり取りの方法を含めて、事前に確認しておくと安心です。
Q. 費用を払える自信がありません
A. 分割払いに応じる事務所が多く、資力基準を満たす場合は法テラスの立替制度を利用できることもあります。相談の場で率直に伝えてください。
Q. 家族や職場に知られませんか
A. 手続きの種類によって事情が異なります。自己破産や個人再生では家計の資料が必要になることがあり、同居のご家族に説明が必要になる場面もあります。郵便物や連絡方法の希望は相談時に伝えてください。
Q. 減額できるかどうかは事前にわかりますか
A. 取引履歴を取り寄せて計算しなければ確定しません。減額の可否や幅は事案ごとに異なり、減らない場合もあります。事前の見込みは目安として受け止めてください。
まとめ
グリーン司法書士法人は、大阪と東京を中心に複数の拠点を構える司法書士法人で、債務整理に加えて相続手続きや不動産登記も取扱分野としています。相談料は無料で、公式サイトには手続きごとの基本料金が掲載されています。
司法書士法人であるため、任意整理と過払い金返還請求は1社あたりの債権額が140万円以下の場合に代理でき、個人再生と自己破産については金額に関係なく代理権がなく書類作成による支援となります。この前提を理解して相談すれば、話がかみ合わないという事態を避けられます。
口コミは、その人の事案の条件とセットでなければ判断材料になりにくいものです。評価の高低を追うよりも、自分の借入明細を開いて1社あたりの残高を確認し、費用の総額を相談の場で確かめていくほうが、納得できる依頼先にたどり着きやすくなります。
手続きの結果・期間・費用は事案ごとに異なります。この記事は一般的な情報提供であり、個別の法的助言ではありません。判断にあたっては弁護士・認定司法書士・法テラスにご相談ください。
・法テラス・サポートダイヤル 0570-078374(平日9時〜21時/土曜9時〜17時)
・日本司法書士会連合会/お住まいの地域の司法書士会 相談センター
・日本弁護士連合会/お住まいの地域の弁護士会 法律相談センター
・消費者ホットライン 188(局番なし)
参考:日本司法書士会連合会



