過払い金や借金の相談先を調べていると、司法書士法人中央事務所の名前を見かけることがあります。実際のところどうなのかを確かめたくて、事務所名に「評判」「口コミ」を付けて検索した方も多いと思います。
ただ、集めた評判をそのまま自分の判断に使うのは難しい面があります。債務整理や過払い金請求の結果は、取引の時期・期間・金利・残高によって一件ごとに変わるため、他人の体験談が自分の結果を予測させてくれるわけではありません。
そこでこの記事では、口コミの中身を並べる代わりに、公式サイトで確認できる事実と、依頼先を決める前にご自身で確認しておきたい項目を整理します。特定の事務所を推奨する記事でも、評価を下げる記事でもありません。

司法書士法人中央事務所の基本情報
公式サイトで確認できる範囲の情報を整理します。以下は記事執筆時点の内容であり、変更される可能性があります。最新の内容は公式サイトでご確認ください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 司法書士法人 中央事務所 |
| 種別 | 司法書士法人(弁護士法人ではありません) |
| 代表司法書士 | 田中秀平(東京司法書士会 会員番号8565号/簡裁訴訟代理等関係業務認定 第304167号) |
| 本店 | 東京都新宿区西新宿2-1-1 新宿三井ビルディング9階 |
| 支店 | 名古屋(名古屋市中区丸の内)/大阪(大阪市北区梅田)/九州博多(福岡市博多区博多駅前) |
| 主な取扱分野 | 過払い金返還請求、任意整理、個人再生、自己破産、相続登記 |
| 相談料 | 無料(着手金も無料と案内されています) |
認定司法書士に依頼できる範囲は法律で決まっている
司法書士事務所に債務整理を依頼する場合、対応できる範囲には法律上の制限があります。事務所の力量ではなく、資格ごとに与えられた権限の違いによるものです。相談先を決める前に押さえておきたい点です。
1社あたり140万円という上限
認定司法書士が裁判外の和解を代理できるのは、1社あたりの債権額が140万円以下の場合に限られます。「借金の総額が140万円以下」という意味ではありません。
この基準は最高裁判所の判決(平成28年6月27日)で示されました。債務整理の対象となる個別の債権の価額が140万円を超える場合、その債権に係る裁判外の和解について代理することができないという判断です。
合計が300万円でも、1社あたり100万円ずつの3社であれば代理できる範囲に収まります。逆に、総額が180万円でも1社に160万円が集中していれば、その債権については代理できません。総額ではなく内訳を見ることが判断の分かれ目です。
内訳をすぐに確かめられるよう、借入先ごとの明細や契約書はファイルにまとめておくと便利です。
個人再生・自己破産は「書類作成」による支援になる
金額に関係なく生じる制限もあります。個人再生と自己破産は裁判所への申立て手続きであるため、認定司法書士は代理人になることができません。この場合に司法書士が行えるのは、申立書類の作成による支援です。
公式サイトでは個人再生や自己破産の費用も案内されていますが、これは書類作成を含む支援に対する費用という位置づけになります。裁判所とのやり取りや、裁判官との面接・債権者集会といった場面では、ご本人が対応する必要が出てくることがあります。
| 手続き | 認定司法書士 | 弁護士 |
|---|---|---|
| 任意整理 | 1社あたり140万円以下なら代理できる | 金額の制限なく代理できる |
| 過払い金返還請求 | 同上(1社あたり140万円以下) | 金額の制限なく代理できる |
| 個人再生 | 書類作成による支援 | 代理人として申立てができる |
| 自己破産 | 書類作成による支援 | 代理人として申立てができる |
| 訴訟 | 簡易裁判所の範囲に限られる | 地方裁判所以上も代理できる |

費用の枠組み(記事執筆時点)
公式サイトの費用ページで案内されている内容は、おおむね次のような構成です。金額は変更される可能性があるため、実際の依頼にあたっては公式サイトと相談時の説明で確認してください。
| 手続き | 案内されている費用 |
|---|---|
| 相談料 | 無料 |
| 過払い金返還請求 | 着手金無料。返還された過払い金から費用を差し引く完全成功報酬制 |
| 任意整理 | 着手金無料。利息のカットや過払い金の返金が生じた際に報酬が発生。分割払いに対応 |
| 個人再生 | 住宅ローンなし 420,000円〜(税別)/住宅ローンあり 470,000円〜(税別) |
| 自己破産 | 同時廃止事件 280,000円〜(税別)/管財事件 330,000円〜(税別)。裁判所費用は別途 |
| 実費 | 印紙代・切手代などは別途必要 |
「着手金無料」をどう読むか
着手金が無料という案内は、依頼を始める時点でまとまったお金を用意しなくてよいという意味です。ただし、費用が発生しないという意味ではありません。成果が出た段階で報酬が発生する仕組みであり、最終的に支払う総額は別途確認する必要があります。
そのため、相談の場では「今いくら払うか」ではなく、「終わったときに合計でいくら払うことになるか」を確認しておくことが実務的に効きます。過払い金の場合であれば、回収額そのものではなく手元に残る見込み額を聞いておくと、後から想定と食い違うことが減ります。
説明を受けた金額を電卓で足し上げてみると、合計の見込みを自分でも確かめやすくなります。
報酬水準を考える手がかり
司法書士の報酬は自由化されており、一律の基準はありません。参考として、弁護士に依頼する場合の上限は日本弁護士連合会の「債務整理事件処理の規律を定める規程」で次のように定められています(いずれも消費税別)。
・任意整理の解決報酬金:1社あたり2万円以下が原則(商工ローンは5万円以下)
・任意整理の減額報酬金:減額分の10%以下
・過払金報酬金:訴訟によらない場合は回収額の20%以下、訴訟による場合は25%以下
これは弁護士に適用されるルールであり、司法書士にそのまま当てはまるものではありません。それでも、提示された報酬がどの程度の水準にあるかを考える物差しにはなります。

手続きの進み方
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 1. 相談 | 借入先・残高・収入を伝え、取りうる手続きの説明を受ける |
| 2. 契約 | 費用と受任範囲の説明を受けたうえで委任契約を結ぶ |
| 3. 受任通知 | 債権者へ通知が届き、直接の督促や取立てが止まる |
| 4. 調査・引き直し計算 | 取引履歴を取り寄せ、正確な残高と過払い金の有無を確認する |
| 5. 交渉または申立て | 任意整理なら和解交渉、個人再生・自己破産なら裁判所への申立て |
| 6. 終了 | 和解に沿った返済の開始、または免責・再生計画の認可 |
受任通知が届いた時点で債権者からの直接の督促は止まります。返済期日に追われている状態から抜け出せるという意味で、この段階に早く到達できるかどうかは負担の軽さに直結します。

口コミ・評判をどう読むか
広告目的の記事が混在している
事務所名で検索すると、比較サイトやまとめ記事が多数表示されます。その中には広告収入を目的として作られたものが含まれており、掲載順や評価の高さが実力を反映しているとは限りません。運営者情報が明示されているかを確認するだけでも、読み方が変わります。
評価が分かれるのには理由がある
連絡が多いことを安心と感じる人もいれば、負担に感じる人もいます。評価の言葉だけを拾うのではなく、その人が何を期待していたのかまで読むと、自分にとって参考になるかどうかを見分けやすくなります。
結果は取引の条件で決まる部分が大きい
「これだけ戻ってきた」「これだけ減った」という記載を見かけることがありますが、金額は取引期間・金利・残高によって決まります。同じ事務所に依頼しても結果が同じになるわけではなく、過払い金が発生していない場合もあります。
相談前に確認しておきたいこと
1. 1社あたりの債権額が140万円を超えていないか(自分の明細で確認)
2. 個人再生・自己破産を検討する場合、書類作成による支援になることの説明があるか
3. 完了時に支払う総額の目安(実費・裁判所費用を含む)
4. 過払い金の場合、手元に残る見込み額
5. 支払い方法(分割の可否・回数)
6. 担当窓口と連絡手段、進捗の報告方法
7. 委任契約書と費用の説明書面が交付されるか
公的な無料相談も選択肢に入れる
民間の事務所に問い合わせる前に、公的な窓口で全体像をつかんでおく進め方もあります。費用をかけずに整理の方向性を確認できるため、比較の土台をつくるのに向いています。
| 窓口 | 特徴 |
|---|---|
| 法テラス | 資力基準を満たす場合、無料法律相談や費用の立替制度を利用できる |
| 各地の司法書士会 | 相談センターを設けている会がある |
| 各地の弁護士会 | 法律相談センターで借金に関する相談を受け付けている |
| 消費者ホットライン | 局番なし188。身近な消費生活相談窓口につながる |

よくある質問
Q. 借金の総額が140万円を超えていたら依頼できませんか
A. 判断されるのは1社あたりの債権額です。総額が300万円でも、1社あたりが140万円以下に収まっていれば認定司法書士が代理できる範囲に入ります。
Q. 着手金無料なら本当にお金がかからないのですか
A. 着手金がかからないという意味であり、費用が発生しないわけではありません。成果が出た段階で報酬が発生します。完了時の総額を確認してください。
Q. 過払い金がなかった場合はどうなりますか
A. 完全成功報酬制と案内されている場合、回収がなければ報酬は発生しない扱いになります。ただし実費の取り扱いは事務所によって異なるため、事前に確認してください。
Q. 相談したら依頼しなければいけませんか
A. 相談と依頼は別です。委任契約を結ぶまでは依頼したことになりません。
Q. 近くに支店がない場合はどうなりますか
A. 電話やオンラインでの相談に対応する事務所が増えています。書類のやり取りの方法を含めて、事前に確認しておくと安心です。
Q. 費用を払える自信がありません
A. 分割払いに応じる事務所が多く、資力基準を満たす場合は法テラスの立替制度を利用できることもあります。相談の場で率直に伝えてください。
Q. 家族や職場に知られませんか
A. 手続きの種類によって事情が異なります。自己破産や個人再生では家計の資料が必要になることがあり、同居のご家族に説明が必要になる場面もあります。郵便物や連絡方法の希望は相談時に伝えてください。
Q. どのくらいの期間がかかりますか
A. 任意整理では交渉に数か月、個人再生や自己破産では裁判所の手続きを含めて半年から1年程度かかることがあります。債権者の数や裁判所の運用によって変わるため、目安として受け止めてください。
まとめ
司法書士法人中央事務所は、東京都新宿区に本店を置く司法書士法人で、名古屋・大阪・九州博多に支店を構え、過払い金返還請求と債務整理を主な取扱分野として案内しています。相談料と着手金は無料と案内されています。
司法書士法人であるため、任意整理と過払い金返還請求は1社あたりの債権額が140万円以下の場合に代理でき、個人再生と自己破産については金額に関係なく代理権がなく書類作成による支援となります。この前提を理解して相談すれば、話がかみ合わないという事態を避けられます。
口コミは、その人の取引の条件とセットでなければ判断材料になりにくいものです。評価の高低を追うよりも、自分の借入明細を開いて1社あたりの残高を確認し、完了時に支払う総額を相談の場で確かめていくほうが、納得できる依頼先にたどり着きやすくなります。
手続きの結果・期間・費用は事案ごとに異なります。この記事は一般的な情報提供であり、個別の法的助言ではありません。判断にあたっては弁護士・認定司法書士・法テラスにご相談ください。
・法テラス・サポートダイヤル 0570-078374(平日9時〜21時/土曜9時〜17時)
・日本司法書士会連合会/お住まいの地域の司法書士会 相談センター
・日本弁護士連合会/お住まいの地域の弁護士会 法律相談センター
・消費者ホットライン 188(局番なし)
参考:日本司法書士会連合会



