複数の借入先から借金があると、毎月の返済日がバラバラで管理が大変ですよね。「全部まとめてスッキリしたい」と考えるのは当然のことだと思います。
借金の一本化には大きく分けて「おまとめローン」と「任意整理」の2つの方法があります。どちらも複数の借金を整理できますが、仕組みやメリット・デメリットがまったく違います。この記事では、それぞれの特徴を正直に比較して、自分にはどちらが合っているかを判断できるように解説していきます。

方法①:おまとめローンで一本化する
おまとめローンの仕組み
おまとめローンは、複数の借入をひとつの金融機関にまとめるサービスです。例えば、A社50万円、B社80万円、C社70万円の合計200万円の借金を、D銀行のおまとめローン200万円で一括返済します。あとはD銀行にだけ返済していけばいい、というシンプルな仕組みです。
おまとめローンのメリット
金利が下がる可能性があります。消費者金融の金利が年15〜18%なのに対し、銀行のおまとめローンなら年10%前後まで下がることがあります。金利が下がれば利息も減るため、返済総額を減らせる可能性があります。
返済日が1日にまとまります。複数社への返済で毎月5日・15日・27日…とバラバラだった返済日が、1日だけの返済で済むようになります。管理がとても楽になります。
信用情報に傷がつきません。おまとめローンは新規の借入のため、債務整理と違ってブラックリストには載りません。これが任意整理との一番大きな違いです。
おまとめローンのデメリット
審査が通らないことが多いです。多重債務の状態だと、おまとめローンの審査に落ちるケースが結構多いのが実情です。特に延滞歴があると非常に厳しくなります。「おまとめローンの審査に落ちてから債務整理の相談に来る人」はかなり多くいます。
返済期間が延びると利息が増えます。月々の返済額を減らすために返済期間を延ばすと、金利が下がっても利息の総額は逆に増えることがあります。ここを見落とす人が本当に多いです。
完済した枠で再び借りてしまうリスクがあります。おまとめローンで他社を完済した後、空いた枠でまた借りてしまう人がいます。これをやると借金が減るどころか増えます。一本化したはずが借金が倍になった、というケースは珍しくありません。

方法②:任意整理で借金を整理する
任意整理の仕組み
任意整理は、弁護士や司法書士が各債権者と交渉して、将来利息をカットしてもらう法的な手続きです。厳密には「一本化」とは違いますが、専門家を通じて複数の返済を整理するという意味では、似たような効果があります。
任意整理のメリット
将来利息が原則ゼロになります。おまとめローンは金利が「下がる」だけですが、任意整理は利息が「なくなる」のが大きな違いです。元金だけの返済になるため、返済総額は確実に減ります。これが任意整理の最大の強みです。
審査がありません。任意整理は法的手続きのため、ローンの審査のように落とされることがありません。多重債務でおまとめローンの審査が通らない人でも利用できます。
返済額と完済時期が確定します。3〜5年で完済する計画を立てて、毎月一定額を返済していきます。ゴールが明確なのでモチベーションも保ちやすいです。「いつ終わるか分からない」というストレスからの解放は本当に大きいものがあります。
任意整理のデメリット
ブラックリストに載ります。信用情報機関に事故情報が登録されるため、約5年間は新たなクレジットカードの作成やローン審査が通りにくくなります。ただし、5年経てば記録は消えるため永久ではありません。
元金は基本的に減りません。任意整理で減るのは将来利息であって、元金自体はそのまま残ります。借金総額が大きすぎる場合は、個人再生や自己破産を検討した方がよいケースもあります。
おまとめローンと任意整理、結局どっちを選ぶべき?
おまとめローンが向いている人
・延滞していない
・借入件数が2〜3社程度
・安定した収入があって審査に通る見込みがある
・ブラックリストに載りたくない
・完済した枠で再び借りない自信がある
任意整理が向いている人
・すでに延滞している
・借入件数が多い(4社以上)
・おまとめローンの審査に落ちた
・利息の負担が重くて元金が減らない
・返済のために他から借りている自転車操業状態
実際のところ、おまとめローンで解決できる人は全体の3割程度で、残りの7割は任意整理の方が向いているという印象があります。特に借入件数が4社以上になると、おまとめローンの審査はかなり厳しくなります。

借金一本化で失敗しないための注意点
おまとめローンの場合の注意点
・返済期間を延ばしすぎないこと。月々の返済額は減りますが、利息の総額が増えてしまいます。できるだけ短期間で完済する計画を立てましょう。
・完済した他社の契約は必ず解約すること。空いた枠で再び借りてしまう誘惑を断つために、完済した他社のカードやローンの契約は確実に解約することが大切です。これが一番大事な注意点です。
・月々の返済額が減ったからと言って、浮いたお金で生活水準を上げないことも重要です。浮いた分は貯金に回す習慣をつけましょう。
任意整理の場合の注意点
・費用は分割払いできるか事前に確認しましょう。多くの事務所は対応していますが、条件はさまざまです。
・複数の事務所で無料相談を受けてから決めましょう。最低3社には相談して、費用・方針・対応の良さを比較してください。
・ブラックリスト期間中の生活プランを事前に立てておくことも大切です。デビットカードやプリペイドカードの利用に切り替えれば、日常生活に大きな支障はありません。
おまとめローンでも任意整理でも、大事なのは「根本的な生活改善」です。借金をまとめても、支出が収入を上回る生活を続けていたら、また同じ状況に戻ってしまいます。
参考:日本貸金業協会
「借金一本化」を謳う悪質な業者も存在します。正規の貸金業登録がない業者や、異常に高い金利を提示してくる業者には絶対に近づかないでください。金融庁の登録業者検索で確認する習慣をつけましょう。
よくある質問(Q&A)
Q. おまとめローンと任意整理を同時に使えない?
A. 基本的に同時に利用することはありません。おまとめローンの審査に落ちた場合の次の手段として任意整理を検討するのが一般的な流れです。最初から任意整理を選んだ方がスムーズに解決できるケースも多いです。
Q. おまとめローンの審査に落ちたらもう終わり?
A. まったく終わりではありません。おまとめローンの審査に落ちた人のための選択肢が任意整理です。審査に落ちたことをきっかけに任意整理をして、結果的にうまくいくケースはとても多いです。むしろ、おまとめよりも利息がゼロになる分メリットが大きいこともあります。
Q. 任意整理をした後にカードは一生作れない?
A. そんなことはありません。任意整理の事故情報は約5年で信用情報機関から消えます。その後は通常通りクレジットカードの作成やローンの審査を受けられるようになります。永久に影響が残るわけではありません。
Q. 銀行カードローンもおまとめの対象にできる?
A. 銀行カードローンもおまとめローンの対象にできますが、銀行のおまとめローンで他の銀行のカードローンをまとめる場合は審査が厳しくなる傾向があります。任意整理であれば、銀行カードローンも対象にできます。

まとめ:自分の状況に合った方法を選ぼう
借金の一本化には「おまとめローン」と「任意整理」の2つの方法があります。おまとめローンはブラックリストに載らないメリットがある一方、審査が通らないリスクや再び借りてしまうリスクがあります。任意整理は将来利息がゼロになる強力な方法ですが、ブラックリストに載るデメリットがあります。
どちらが最適かは借入件数・金額・延滞の有無・収入状況など、個人の状況次第です。迷ったら法テラスの無料相談で専門家のアドバイスを受けるのが一番確実です。大事なのは、悩み続けるより一歩踏み出して相談することです。それだけで状況は大きく変わります。

