「若いころプロミスを使っていた。過払い金があるのだろうか」。そんな疑問をきっかけにこのページへたどり着いた方に向けて、確認の手順と注意点をまとめます。
先に前提を共有させてください。現在のプロミスの貸付条件は利息制限法の範囲内であり、現在の取引で過払い金が発生することはありません。過払い金の対象になるのは、法律が改正される前の高い金利で行われていた取引に限られます。
この記事では特定の事務所をおすすめしたり、企業を評価したりすることはしません。公開されている情報にもとづいて、事実関係と手順を整理します。

社名は変わっているがブランドは続いている
まず、手続きを考えるうえで押さえておきたい事実があります。公式のお知らせによると、プロミス株式会社は2012年7月1日にSMBCコンシューマーファイナンス株式会社へ社名を変更しました。「プロミス」はサービスブランドとして継続して使われており、既存の契約や借入・返済の方法に変更はないとされています。
つまり、昔プロミス株式会社と契約していた方が問い合わせる先は、現在のSMBCコンシューマーファイナンス株式会社になります。社名が変わったからといって、過去の取引がなかったことになるわけではありません。この点で不安に思う必要はありません。
現在の貸付条件を確認する
公式サイトに掲載されているフリーキャッシング(カードローン)の内容は、記事執筆時点で次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 借入利率(実質年率) | 年4.5%〜17.8% |
| 遅延利率(実質年率) | 年20.0% |
| 融資額 | 500万円まで |
| 返済方式 | 残高スライド元利定額返済方式 |
| 返済期間・回数 | 最終借入後 原則最長6年9か月・1〜80回 |
利息制限法の上限は、元本10万円未満で年20%、10万円以上100万円未満で年18%、100万円以上で年15%です。上の条件はこの枠の内側に収まっています。したがって現在の契約にもとづく利息は「払いすぎ」にはなりません。貸付条件は改定されることがあるため、ご自身の契約に適用されている利率は会員ページや契約書面でご確認ください。
対象になりうるのはどんな取引か
グレーゾーン金利が存在した時期の取引
かつては、利息制限法の上限を超えていても、出資法の上限である年29.2%までは刑事罰の対象にならないという状態がありました。この差の部分がグレーゾーン金利です。
金融庁の資料によれば、改正貸金業法の完全施行にともない平成22年(2010年)6月18日から出資法の上限金利は年29.2%から年20%に引き下げられ、グレーゾーン金利は撤廃されました。以降、貸金業者は利息制限法の範囲内で貸付を行っています。
過払い金の話は、2010年6月18日より前に上限を超える金利で取引していた場合に限られます。対象は限られており、「誰にでも戻る」性質のものではありません。
最終取引から10年で時効
過払い金の返還請求権は、原則として最終取引日から10年が経過すると時効により請求できなくなります。金額を調べる前に、まず「最後に返済したのはいつか」を確認してください。
いったん完済してから再び借入をした場合、それらを一連の取引として扱うかどうかで起算点の判断が変わることがあります。年数が微妙な場合は自己判断せず、専門家に確認しましょう。

確認から請求までの手順
ステップ1 記憶と手元の資料をたどる
「いつ借り始めたか」「最後に返済したのはいつか」の2点が出発点です。契約書、カード、明細、通帳の記録などが残っていれば確認してください。何も残っていなくても問題ありません。
見つかった契約書や明細は、ひとつにまとめて保管しておくと、その後の手続きや相談の際に確認しやすくなります。
契約があったかどうか自体が曖昧な場合は、信用情報機関(CIC・JICC・全国銀行個人信用情報センター)への本人開示が手がかりになります。ただし完済から長期間が経過していると、情報が残っていないこともあります。
ステップ2 取引履歴の開示を請求する
貸金業者には取引履歴を開示する義務があります。最高裁判所は平成17年7月19日の判決でこの点を明らかにしており、その後の法改正でも帳簿の閲覧・謄写に応じる義務が明文化されています。本人が公式の問い合わせ窓口から請求することも、依頼した弁護士・認定司法書士を通じて請求することもできます。
開示までには一定の期間がかかります。時効が近いと感じる場合は、迷っている時間のほうがもったいないかもしれません。
ステップ3 引き直し計算をする
届いた履歴をもとに、利息制限法の上限で計算し直します。上限を超えて払っていた分は元本に充当され、元本がゼロになった後の支払いが過払い金になります。無料で公開されている計算用の表計算ファイルを使えば自分でも計算できますが、取引が長期にわたる場合は入力量が多くなります。
ステップ4 返還を求める
計算結果をもとに返還を請求します。話し合いで解決する場合と、訴訟を提起する場合があります。交渉では計算額の全額ではなく一定割合での和解になることがあり、訴訟に進めば期間と費用が増えます。どちらを選ぶかは金額と時間のバランスで決まります。
実際にいくらになるかは、引き直し計算をするまで誰にも分かりません。取引履歴を見ていない段階で金額を断言する説明は、根拠にもとづくものではありません。
請求する前に知っておきたいこと
そのカードは使えなくなる
過払い金を請求すると、その会社との契約は終了し、以後カードやサービスを利用することはできなくなるのが一般的です。今後も使いたいと考えている場合は、この点を踏まえて判断してください。
返済中の請求は債務整理として扱われる場合がある
まだ返済が続いている借入について引き直し計算をした結果、過払いにならず借金が残った場合、その手続きは任意整理などの債務整理として進みます。この場合は信用情報機関に事故情報として登録され、一定期間は新たな借入やクレジットカードの作成、ローンの利用が難しくなります。
完済済みの取引について請求し、計算の結果が過払いであれば、債務整理としては扱われないのが一般的な取り扱いです。返済中か完済済みかで話がまったく変わります。
関連するサービスへの影響
保証を受けているローンや、同じグループ内で提供されているサービスに影響が及ぶ場合があります。範囲は各社の判断によるため、気になる場合は相談の段階で確認してください。

自分で進めるか、依頼するか
自分で進める場合の現実
開示請求も計算も交渉も、本人が行うことは可能です。費用を抑えられる点が利点です。一方、履歴の読み取りと入力に手間がかかること、交渉が進まない場合に訴訟の準備を自分で行う必要があることは負担になります。時間の余裕と、書類仕事への耐性が問われます。
専門家に依頼する場合の前提
弁護士は取り扱える債権額に上限がなく、交渉から訴訟まで一貫して対応できます。認定司法書士は1社あたりの債権額が140万円以下の範囲に代理権が限られます。最高裁判所は平成28年6月27日の判決で、対象となる個別の債権の価額が140万円を超える場合、認定司法書士は裁判外の和解を代理できないと判断しました。
金額は計算するまで分からないため、相談時に「140万円を超えたらどうするか」を確認しておくと安心です。
費用の考え方
日本弁護士連合会の規程では、債務整理事件の報酬について次の上限が定められています(消費税別)。
| 区分 | 上限 |
|---|---|
| 過払金報酬金(訴訟によらない場合) | 回収額の20%以下 |
| 過払金報酬金(訴訟による場合) | 回収額の25%以下 |
| 解決報酬金 | 1社あたり2万円以下が原則 |
着手金には上限規制がありません。総額でいくらかかるのかを書面で確認してください。収入と資産が一定の基準以下であれば、法テラスの民事法律扶助を利用できる場合があります。
相談前に整理しておくと話が早いこと
窓口に行く前に、次の項目をメモにまとめておくと、限られた相談時間を有効に使えます。すべて埋まっていなくても構いません。
・借り始めたおおよその時期(西暦でも年齢でも可)
・最後に返済したおおよその時期
・借入がいくらくらいだったか
・現在も返済が続いているかどうか
・他社からの借入があるかどうかと、その一覧
・手元に残っている資料(契約書・カード・明細・通帳)
・法テラスの利用を検討する場合は収入と資産が分かる資料
とくに重要なのが「現在も返済が続いているか」と「他社からの借入があるか」の2点です。ここが変わると、過払い金の話なのか、債務整理全体の話なのかという入口自体が変わります。相談の場では隠さず伝えてください。
整理した内容をノートに書き留めておくと、相談の場でも落ち着いて伝えやすくなります。

注意したい説明のしかた
・取引履歴を見ていない段階で金額を断言する
・時効やカードが使えなくなる点にまったく触れない
・返済中の請求が債務整理になりうることを説明しない
・その場での契約を強く求めてくる
・費用の内訳を書面で示してもらえない
・弁護士・認定司法書士でない者が「代わりに取り戻す」と持ちかけてくる
最後の項目は法律上の問題を含みます。報酬を得る目的で法律事務を扱えるのは弁護士と認定司法書士に限られます。心当たりがあれば消費者ホットライン188、または警察に相談してください。
よくある質問
Q. 社名が変わっていますが、昔の取引も請求できますか
A. 社名変更は会社の名称が変わるだけで、契約関係が消えるものではありません。過去の取引についても現在の会社に問い合わせることになります。
Q. 数年前に借りた分は対象になりますか
A. グレーゾーン金利が撤廃された後に始まった取引であれば、過払い金は発生しません。改正前から続いていた取引かどうかが分かれ目です。
Q. カードも契約書も残っていません
A. 手続きは進められます。取引履歴は会社に開示を請求できるためです。契約の有無自体が不明な場合は、信用情報の本人開示も手がかりになります。
Q. 完済から10年以上経っています
A. 原則として時効により請求できません。ただし取引が途中で途切れている場合など、起算点の判断が分かれるケースもあります。念のため確認してください。
Q. 返済中でも請求できますか
A. できます。ただし計算の結果、借金が残る場合は債務整理として扱われ、信用情報に登録されます。他社の借入も含めた全体の方針とあわせて検討してください。
Q. 家族に知られたくありません
A. 専門家には守秘義務があります。ただし会社や裁判所からの郵便物が自宅に届く場合があるため、連絡方法の希望は相談の最初に伝えておきましょう。
Q. どのくらい時間がかかりますか
A. 履歴の取り寄せ、計算、交渉という流れをたどるため、数か月単位の時間がかかるのが一般的です。訴訟に進めばさらに延びます。事案によって大きく異なります。
Q. 相談したら必ず依頼しなければいけませんか
A. そのようなことはありません。話を聞いたうえで見送る、他の窓口にも相談する、という判断は自由です。
まとめ
プロミスの過払い金を考えるとき、最初に確認すべきは会社名ではなく取引の時期です。グレーゾーン金利が撤廃される前から続いていた取引かどうか、そして最終取引から10年を超えていないかどうか。この2点で対象になるかが決まります。
現在の貸付条件は利息制限法の範囲内であり、現在の取引で過払い金が生じることはありません。また、社名がSMBCコンシューマーファイナンス株式会社に変わっていても、過去の取引について問い合わせることはできます。
対象になりそうだと感じたら、推測を重ねるより取引履歴を1社分取り寄せるほうが確実です。費用の不安がある場合や、まず中立的に話を聞きたい場合は、法テラスや各地の弁護士会・司法書士会の相談窓口という選択肢があります。
なお、この記事は一般的な情報提供であり、個別の法的助言ではありません。効果・期間・費用は事案ごとに異なります。実際の判断にあたっては、弁護士・認定司法書士・法テラスにご相談ください。
・法テラス・サポートダイヤル 0570-078374
・消費者ホットライン 188(局番なし)
・お住まいの地域の弁護士会 法律相談センター
・お住まいの地域の司法書士会 相談センター
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