「個人再生の手続きをしたのに失敗したらどうしよう」と不安に感じている方もいるでしょう。確かに個人再生には失敗するリスクがありますが、事前に原因を知っておけば対策は可能です。
個人再生の失敗パターンは大きく分けて3つ、「申立て前の棄却・却下」「再生計画の不認可」「認可後の取消し」です。それぞれに明確な原因があるため、弁護士と協力して準備をしっかり行えば、ほとんどのリスクは回避できます。
この記事では、個人再生が失敗する具体的な事例と、それぞれの対策を詳しく解説します。

個人再生が失敗する3つのパターン
個人再生の失敗には、手続きの段階ごとに異なるパターンがあります。
パターン1:申立てが棄却・却下される
個人再生の申立て自体が裁判所に認められないケースです。申立ての要件を満たしていない場合に起こります。
パターン2:再生計画が不認可になる
申立ては受理されたものの、提出した再生計画案が裁判所に認められないケースです。計画の内容に問題がある場合に起こります。
パターン3:認可後に取り消される
再生計画が一度認可された後に、返済を怠るなどの理由で計画が取り消されるケースです。
統計上、個人再生の成功率は約90%以上とされています。弁護士に依頼してしっかり準備すれば、失敗するケースは少ないのが実態です。
申立てが棄却・却下される原因と事例
申立て段階で失敗する具体的な原因を見ていきましょう。
借金の総額が5,000万円を超えている
個人再生を利用できるのは、住宅ローンを除く借金の総額が5,000万円以下の場合に限られます。これを超えると申立てが却下されます。5,000万円を超える場合は、通常の民事再生手続きか自己破産を検討する必要があります。
継続的または反復的な収入がない
個人再生は原則3年間(最長5年間)にわたって返済を続ける手続きのため、安定した収入が必要です。無職の方や、収入が極端に不安定な方は申立てが認められない可能性があります。パートやアルバイトでも継続的な収入があれば認められるケースはあります。
必要書類の不備
収入証明、財産目録、家計表など、裁判所が求める書類に不備があると申立てが受理されません。弁護士に依頼していれば、書類の作成・確認を代行してくれるためこのリスクは低くなります。
再生計画が不認可になる原因と事例
申立ては受理されたが、再生計画が認められないケースです。
返済の見通しが立たない計画
収入に対して返済額が明らかに大きく、「この計画通りに返済を続けるのは無理だろう」と裁判所が判断した場合、不認可になります。現実的な収支のシミュレーションに基づいた計画を立てることが重要です。
債権者の反対(小規模個人再生の場合)
小規模個人再生では、債権者の過半数が反対すると再生計画が不認可になります。特定の大口債権者1社だけで債権額の過半数を占めている場合、その1社が反対すれば計画は通りません。この場合は、給与所得者等再生(債権者の同意が不要)への切り替えを検討します。
清算価値保障の原則に違反している
再生計画での返済総額が、自己破産した場合に配当される金額(清算価値)を下回っていると不認可になります。財産の申告漏れがあると清算価値の計算が狂い、不認可のリスクが高まります。
履行テストでの積み立て不足
東京地裁などでは、手続き期間中に「履行テスト」として毎月の返済予定額を積み立てます。この積み立てができない場合は、「返済能力がない」と判断され不認可になります。

認可後に取り消される原因と事例
再生計画が認可された後でも、以下の事由があると取り消される可能性があります。
返済の遅延・滞納
再生計画に基づく返済を怠ると、債権者の申立てにより計画が取り消されることがあります。取り消されると、圧縮される前の借金が復活します。やむを得ない事情(病気、失業など)で返済が困難になった場合は、計画の変更(返済期間の延長)を申し立てることができます。
ハードシップ免責の可能性
再生計画の返済総額の4分の3以上を返済済みで、やむを得ない事情により残りの返済が困難な場合は「ハードシップ免責」が認められる可能性があります。この制度により残りの返済が免除されます。
不正行為の発覚
財産の隠蔽や虚偽の申告が後から発覚した場合、再生計画が取り消されます。手続き中は財産や収入について正直に申告することが絶対条件です。
再生計画が取り消されると、圧縮前の借金が復活してしまいます。返済が厳しくなった場合は、放置せずにすぐに弁護士に相談して、計画の変更やハードシップ免責の申立てを検討しましょう。
個人再生を成功させるためのポイント
失敗を防ぎ、個人再生を成功させるためのポイントをまとめます。
経験豊富な弁護士に依頼する
個人再生は書類作成が複雑で、裁判所とのやり取りも専門的です。債務整理の実績が豊富な弁護士に依頼することで、書類の不備や計画の問題点を事前に防げます。
財産・収入・借金を正確に申告する
隠し事は絶対にNGです。後から発覚すると手続き全体が崩壊するリスクがあります。弁護士には包み隠さずすべての情報を開示しましょう。
履行テストの積み立てを確実に行う
毎月の積み立ては遅れずに行いましょう。自動振替を設定するなど、確実に積み立てできる仕組みを作っておくのがおすすめです。
認可後の返済も計画通りに続ける
認可後3年間(最長5年間)の返済を滞りなく続けることが最終的な成功条件です。家計管理をしっかり行い、返済が厳しくなる兆候があれば早めに弁護士に相談しましょう。

個人再生の失敗に関するQ&A
Q. 個人再生に失敗したら自己破産するしかないですか?
個人再生が不認可になった場合でも、再度申立てをやり直すことができます。原因を改善した上で再申立てするか、任意整理や自己破産に切り替えることも選択肢になります。弁護士と相談して最善の方法を選びましょう。
Q. ギャンブルが原因の借金でも個人再生はできますか?
はい、できます。自己破産ではギャンブルが免責不許可事由に該当しますが、個人再生には免責不許可事由の制度がないため、借金の原因に関係なく利用できます。これは個人再生の大きなメリットの一つです。
Q. パートやアルバイトでも個人再生はできますか?
継続的な収入があれば、パートやアルバイトでも個人再生は可能です。ただし、小規模個人再生は利用できても、給与所得者等再生は利用条件が厳しくなる場合があります。
Q. 個人再生の成功率はどのくらいですか?
司法統計によると、個人再生の成功率は約90%以上とされています。弁護士に依頼してしっかり準備すれば、大半のケースで成功する手続きです。
まとめ
個人再生が失敗する原因は、収入不足、書類不備、債権者の反対、返済の遅延など多岐にわたります。しかし、いずれも事前に対策を講じることで防げるリスクです。
経験豊富な弁護士と二人三脚で手続きを進め、財産や収入を正確に申告し、履行テストの積み立てを確実に行えば、個人再生は高い確率で成功します。まずは法テラスや弁護士の無料相談で、自分のケースでの見通しを確認してみましょう。
参考:個人再生できる条件とは?|弁護士法人・響、個人再生の弁護士費用|ベンナビ



