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離婚で借金はどうなる?慰謝料との関係と財産分与への影響を解説

家族・相続・保証人の借金

離婚の話し合いが進むなかで、「相手が作った借金まで背負わされるのだろうか」「慰謝料を請求されたら、その分も借金で払うことになるのか」と不安になる方は少なくありません。お金の話は感情ともつれやすく、正確な情報にたどり着きにくい分野でもあります。

先に大枠をお伝えします。夫婦の一方が個人的に作った借金は、原則として財産分与の対象になりません。ただし例外があり、家庭生活のために生じた債務は民法761条の「日常家事債務」として、もう一方にも連帯責任が生じる場合があります。そして慰謝料と借金はまったく別のお金です。ここを混同すると、話し合いが噛み合わなくなります。

この記事では、離婚と借金の関係を、財産分与・日常家事債務・慰謝料・連帯保証という4つの切り口で整理します。ただし個別の事情によって結論は大きく変わります。実際の判断にあたっては、必ず弁護士や法テラスといった専門の窓口にご相談ください。この記事は一般的な情報提供であり、個別の法的助言ではありません。

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離婚とお金の話は「借金」「慰謝料」「財産分与」がごちゃ混ぜになりがち。まずはこの3つを別々の箱に分けて考えるところから始めよう。

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離婚で動くお金は4種類に分けて考える

離婚のときに問題になるお金は、性質の違うものが同時に出てくるため混乱しやすくなっています。まずは分類から始めましょう。

離婚で問題になる4つのお金

1. 財産分与:婚姻中に夫婦で築いた財産を分けるもの
2. 慰謝料:不貞やDVなど、精神的な苦痛に対する損害賠償
3. 養育費:子どもの監護・教育のために支払われるもの
4. 債務(借金):誰が返すのかを整理する必要があるもの

このうち、財産分与と慰謝料と養育費は、それぞれ請求の根拠がまったく違います。借金は、そもそも夫婦の間の問題ではなく債権者(貸した側)との契約の問題である点が最大のポイントです。夫婦間で「この借金はあなたが返して」と取り決めても、その合意は貸した側を拘束しません。

夫婦の取り決めは債権者に対抗できない

離婚協議書に「この借入は夫が返済する」と書いたとします。これは夫婦の間では有効な約束ですが、金融機関や貸金業者に対しては効力を持ちません。名義人あるいは連帯保証人として契約している以上、請求は契約どおりに来ます。ここを誤解したまま離婚してしまうと、あとから請求を受けて驚くことになります。

夫婦の借金は財産分与の対象になるのか

個人的な借金は原則として対象外

財産分与は、婚姻期間中に夫婦が協力して築いた財産を清算する制度です。したがって一方が個人的な目的で作った借金は、原則として財産分与の対象になりません。具体的には、本人だけが楽しんでいたギャンブル、個人的な趣味の買い物、無断で行った投機的な取引などが典型です。

相手が内緒で消費者金融から借りていたお金について、離婚を機に「半分持ってくれ」と言われても、応じる法的な義務は原則としてありません。

共同生活のための債務は考慮されることがある

一方で、家族の生活費を補うための借入、住宅ローン、子どもの学費のための教育ローンなど、夫婦の共同生活のために生じた債務は、財産分与を計算するときに考慮される場合があります。実務上は、プラスの財産からマイナスの債務を差し引いた残りを分ける、という考え方が取られることが多くなっています。

マイナスしか残らない場合の扱い

財産分与は本来、分けるべきプラスの財産があることを前提とした制度です。差し引きしてマイナスしか残らない場合、その負債を機械的に半分ずつ負担させるという扱いにはならないのが一般的です。とはいえ、この点は事案によって判断が分かれる部分でもあり、話し合いや調停の中で決まっていきます。

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「何に使った借金か」で扱いが変わるってことだね。だから借入の使い道を示す資料が残ってると、話し合いがぐっと有利に進むよ。

借入の契約書や明細、使い道がわかるレシートなどは、ひとつのファイルにまとめて保管しておくと、話し合いや相談の際に確認しやすくなります。

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日常家事債務(民法761条)は連帯責任になりうる

条文が定めているルール

民法761条は、夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたとき、他方もこれによって生じた債務について連帯して責任を負うと定めています。ただし、あらかじめ第三者に対して責任を負わない旨を予告していた場合は例外とされています。

これは、夫婦が生活の単位として行動していることを前提に、取引の相手方を保護するための規定です。「知らなかった」という理由だけで免れられるわけではない点に注意が必要です。

どこまでが「日常の家事」なのか

注意

日常家事にあたるかどうかは、夫婦の収入・資産・社会的地位、その地域の生活水準、取引の目的や金額などを総合的に見て判断されます。一律の金額基準はありません。

食料品や日用品の購入、家賃、光熱費、子どもの日常的な教育費などは、日常家事に含まれると考えられています。反対に、高額な借入や事業のための資金調達、不動産の売買のような大きな取引は、日常家事の範囲を超えると判断される傾向にあります。相手が勝手に組んだ多額のローンが、そのまま自動的に連帯債務になるわけではありません。

離婚後に新たに生じた債務は対象外

日常家事債務の連帯責任は婚姻関係を前提としています。したがって、離婚が成立したあとに相手が新しく作った借金について、責任を負うことはありません。ただし婚姻中に生じていた債務についての責任は、離婚しても自動的には消えません。この違いは重要です。

慰謝料と借金は別のもの

慰謝料は損害賠償であって借金の清算ではない

慰謝料は、不貞行為やDVなど、離婚の原因を作った側が相手に与えた精神的苦痛に対する損害賠償です。借金の有無とは切り離して考えます。「借金があるから慰謝料は払わなくていい」「慰謝料の代わりに借金を持ってもらう」といった理屈は、原則として通りません。

金額についても、事案の内容によって大きく異なります。インターネット上で見かける相場の数字はあくまで目安であり、そのまま自分のケースに当てはまるとは限りません。

相手に借金があると慰謝料の回収が難しくなる

慰謝料の請求権が認められても、相手に返済能力がなければ現実の回収は簡単ではありません。相手がその後に自己破産して免責を受けた場合、慰謝料債権も原則として免責の対象になります。ただし、悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権など、破産法が定める非免責債権にあたる場合は免責されません。この判断は専門的なので、弁護士に確認するのが確実です。

慰謝料を払うために借金をするリスク

まとまった慰謝料を用意するために新たな借入をすると、離婚後の生活が最初から返済に圧迫されます。分割払いにする、支払い時期を調整するなど、借入以外の方法を先に検討することをおすすめします。取り決めた内容は公正証書にしておくと、後々のトラブルを避けやすくなります。

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慰謝料のために借りて、離婚した瞬間から返済地獄……ってのが一番きついパターン。払い方の相談は先にやっておこう。

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連帯保証人の地位は離婚しても外れない

ここが最大の落とし穴

離婚に関する相談で、最も見落とされやすいのがこの点です。配偶者の借入について連帯保証人になっている場合、離婚しただけでは連帯保証人の地位から自動的に外れることはありません。保証契約は債権者との間の契約であり、夫婦関係の終了とは無関係だからです。

元配偶者が返済を滞らせれば、保証人であるあなたに請求が届きます。連帯保証人には催告の抗弁権・検索の抗弁権がないため、「まず本人に請求してほしい」と言って支払いを拒むこともできません。

外れるには債権者の承諾が必要

注意

連帯保証人を外れるには、原則として債権者(金融機関等)の承諾が必要です。多くの場合、代わりの保証人を立てる、他の担保を差し入れる、あるいは借り換えによって契約自体を組み直す、といった対応が求められます。

住宅ローンは特に慎重に

夫婦でペアローンを組んでいる、あるいは一方が連帯債務者・連帯保証人になっている住宅ローンは、離婚の際に最も扱いが難しい部類です。売却して清算するのか、どちらかが住み続けて借り換えるのか、選択肢ごとに必要な手続きも費用も変わります。金融機関への事前相談を含め、早い段階で専門家を交えて検討してください。

借金が返せない状態なら債務整理という選択肢もある

離婚を機に世帯収入が減り、返済が回らなくなるケースは珍しくありません。その場合は、債務整理を検討する余地があります。

離婚後の生活に向けては、まず毎月の収入と支出を把握し直しておくことが、返済の見通しを立てるうえでも役立ちます。

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主な債務整理の方法

・任意整理:債権者と直接交渉し、返済条件の見直しを図る手続き
・個人再生:裁判所を通じて、法律の定めに沿って債務を圧縮する手続き
・自己破産:裁判所を通じて、支払不能を前提に免責を求める手続き

どの方法が適しているかは、収入・資産・債務額・家族構成などによって変わります。どれも「必ず減額できる」と言えるものではなく、効果・期間・費用は事案ごとに異なります。また、離婚前と離婚後のどちらのタイミングで手続きを取るかによって、財産分与の扱いにも影響が出ることがあります。順番を含めて、専門家に相談してから動くのが安全です。

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離婚と債務整理は「どっちを先にやるか」で結果が変わることがあるんだ。自己判断で順番を決めないで、先に相談しておくのが安心だよ。

相談先と進め方

離婚とお金の問題は、どちらか一方だけを片付けても解決しません。全体像を一度整理することが近道です。

主な相談先

・法テラス・サポートダイヤル 0570-078374(平日9時〜21時/土曜9時〜17時)
・消費者ホットライン 188(局番なし)
・お住まいの地域の弁護士会 法律相談センター
・お住まいの地域の司法書士会 相談センター
・家庭裁判所(夫婦関係調整調停などの手続き案内)

法テラスは、収入や資産が一定の基準を下回る場合に、無料の法律相談や弁護士費用の立替制度を利用できる公的な窓口です。まずは電話で状況を伝え、どの制度が使えそうか確認するところから始めるとよいでしょう。

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離婚の条件を決める前に相談するのが理想。決めたあとだと、直すのに余計な手間とお金がかかることが多いんだ。

よくある質問

Q. 相手のギャンブルの借金を、離婚時に半分負担する必要はありますか

A. 個人的な目的で作られた借金は、原則として財産分与の対象になりません。したがって半分を負担する法的な義務は通常ありません。ただし、あなたが連帯保証人になっている場合は話が別で、保証契約に基づく責任が残ります。契約書の内容を確認してください。

Q. 生活費のために配偶者が借りたお金は、私も返さなければなりませんか

A. 日常の家事の範囲内と判断される借入であれば、民法761条により連帯責任を負う可能性があります。ただし、日常家事にあたるかどうかは金額や使途を含めて総合的に判断されるため、一律には決まりません。請求を受けた場合は、支払う前に弁護士に相談することをおすすめします。

Q. 離婚協議書に「借金は夫が返す」と書けば、私は請求されませんか

A. 夫婦間ではその合意が有効でも、債権者に対しては効力がありません。あなたが名義人または保証人である限り、請求は来ます。実際に責任を外すには、債権者の承諾を得て契約自体を変更する必要があります。

Q. 慰謝料を請求されましたが、借金があって払えません

A. 支払い能力がないことを理由に、金額や分割方法について交渉する余地はあります。ただし請求そのものが消えるわけではありません。返済が全体として回らない状態であれば、債務整理を含めて全体を見直す相談をした方が現実的です。

Q. 相手が自己破産すると、慰謝料は受け取れなくなりますか

A. 免責が認められれば、慰謝料債権も原則として免責の対象になります。ただし破産法は一定の債権を非免責債権として定めており、悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権などはこれに含まれます。該当するかどうかは事案ごとの判断になるため、弁護士に確認してください。

Q. 住宅ローンの連帯保証人から外れたいのですが、どうすればいいですか

A. 金融機関の承諾が必要です。代わりの保証人を立てる、借り換えて契約を組み直す、物件を売却して完済する、といった方法が検討されます。いずれも金融機関との交渉が前提になるため、早めに相談窓口へ問い合わせてください。

Q. 相談する前に用意しておくとよい資料はありますか

A. 借入先の一覧、契約書、返済予定表、直近の返済履歴、給与明細、預貯金の残高がわかるもの、不動産の登記事項証明書などがあると話が早く進みます。手元にそろっていなくても相談は可能なので、まずは連絡してみてください。

まとめ

離婚と借金の関係で押さえておきたいのは、次の点です。一方が個人的に作った借金は原則として財産分与の対象にならないこと、生活のために生じた債務は日常家事債務として連帯責任が生じうること、慰謝料と借金はまったく別のお金であること、そして連帯保証人の地位は離婚しても自動的には外れないことの4つです。

特に最後の連帯保証は、離婚から何年も経ってから請求が届くことがあります。心当たりがある方は、離婚の条件を決める前に契約内容を確認しておいてください。

ここに書いた内容は一般的な情報提供であり、個別の法的助言ではありません。結論は事情によって変わり、効果・期間・費用も事案ごとに異なります。実際の判断にあたっては、必ず弁護士・司法書士・法テラスにご相談ください。

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参考:裁判所 – 裁判手続 家事事件Q&A

参考:法テラス(日本司法支援センター)

参考:日本弁護士連合会 – 債務整理の弁護士報酬のルールについて

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